Album

We are

オリジナル
ETP-90038
1980.11.21
廃盤
CD
TOCT-25642
2005.03.24
2,190円(税抜価格)+税
SHM-CD
TOCT-95042
2009.01.21
2,476円(税抜価格)+税

自信に満ち溢れた、より濃密なバンドサウンドとサウンド・クオリティ1980年代初頭の音楽シーンを象徴する、オフコースの代表作品

収録曲

1 時に愛は
2 僕等の時代
3 おまえもひとり
4 あなたより大切なこと
5 いくつもの星の下で
6 一億の夜を越えて
7 せつなくて
8 Yes-No
9 私の願い
10 きかせて

解説

 オフコースはブレイクした。1979年12月に発売されたシングル「さよなら」は、ヒットチャートの2位にランクされミリオンセラーを記録した。テレビをはじめとする芸能メディアは突然出現した彼らに戸惑い、過剰な関心を示していた。小田和正は「さよなら」を「売ることを意識して作った」と発言している。状況に流されない。そんな姿勢は、「さよなら」の次にシングルヒットとは対極的な「生まれ来る子供たちのために」をシングルカットしたことでも明らかだろう。彼らの目はすでに次に向いていた。

 求めている音楽の追求。このアルバムは、そんな彼らが確実に次への階段を上ったアルバムである。80年11月21日発売。79年10月に始まった「Three and Two」のツアーは、80年2月に終了。5月からは「LIVE」とタイトルを変えて行われ6月27、28日の武道館でフィナーレを迎えた。その直後からレコーディングが始まった。

 1曲目の「時に愛は」のイントロを聴いただけで音の違いが分かる。イーグルスを連想するようなどっしりしたドラムとベースの音の落ち着き。それぞれの楽器の音のクリアーさ。抜けるような高音と低音のバランス。全体の音の広がりや奥行き。日本でレコーディングされた音をロサンジェルスに持って行ってトラックダウンすることによって生まれたバンドサウンドだった。

 音楽の環境の整備。オフコースが画期的だったことの一つにはそれがある。オフコース・カンパニーというプライベートオフィス。発足した時は、小田和正と鈴木康博の2人とマネージャー、事務の女性の4名。六畳四畳半の2Kという小さな拠点から始まった。照明・音響・映像、そしてエンジニア。信頼できるチームを整えていく。このアルバムからTOTOやボズ・スキャッグスを手がけていたロサンジェルスのエンジニア、ビル・シュネーと組んだ。小田和正と同い年である。海外レコーディング自体が特別だった時代だ。エンジニアを特定し、トラックダウンのためだけに行くという、今でこそ当たり前になった方法の先例となったのがこのアルバムでもある。

 より濃密なバンドサウンド。ジャケットには全員の名前だけがプリントされている。ロックバンドがステージで“We are …”と自己紹介するあのフレーズ。作詞・作曲のクレジットにも全員の名前があるのもそんなアピールだろう。「一億の夜を越えて」の作詞、安部光俊は、当時交流のあったシンガー&ソングライター。

 アルバム発売後の12月1日に、「時に愛は」と「僕等の時代」がシングルカットされた。1、2曲目のカップリングによるこのシングルは彼らのアルバム『We are』への自信を感じさせた。ちなみにビル・シュネーが一番気に入っていたのは10曲目の「きかせて」だったそうだ。

田家秀樹

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