Georgy Porgyについて...。

林檎これは邪(よこしま)っていうグループ名があるんです(笑)。
──(笑)これは実際、誰とやってるの?
林檎今回、森 pact discのドラマーがタカ(沼澤尚)さんじゃないですか。タカさんはTOTOのドラマー、ジェフ・ポーカロのお父様の御弟子さんなんですよ。で、私も恥ずかしながら、軽音部でドラマー時代、今回のこの曲を、コピーさせて頂いたこともあって、折角タカさんとやらせて頂けるのならジェフポーカロのコピーをして頂きたいって思い付いて、この曲の完全コピーのオケを録音したんです。
──男性ヴォーカルは?
林檎兄と兄のバンドの人がシャウトをちょっと入れてたりするんだけど、メイン・パートのルカサー役は兄のバンドのギタリストなんです。一旦は私も全編歌ってみたんですけど、オケはこんなに頑張ってコピーしたのに、ヴォーカルがスティーヴ・ルカサーに似ないのは、やっぱり女性だから仕方ないのかしら?って悩んでいたんですけど、その人の声がルカサーにすごい似てたのでお願いしたんです。
──なるほどね。
林檎そのきっかけは、私のカー・ステレオにTOTOの「Georgy Porgy」を入れてたんですけど、その人が私の車に乗った時にその曲が流れ出したんです。で、「え、何これ?」って訊かれたので、「今度、完コピしようと思ってて」って答えたんですけど、その人がその場でちょっと歌った声がすごい似てたんです。だから、「真似して歌ったら、ずっと似せられる?」って訊いたんですけど、その場で歌った声がすごい似てたので、やってもらいたくなったんですよ。
──その甲斐あって、完コピにしても完成度がすごく高いよね。
林檎この曲はすごい真剣にシンセの音を録ったり、プロ・ミュージシャンがラジカセに張り付いてコピーして(笑)、サークルみたいなノリで楽しかったんです。だから、意味合いとしては初心に戻って、みたいな感じですよ。
──そもそも、エリック・ベネイのカヴァー・バージョンを聴いて、この曲を知ったの?
林檎や、この曲しか知らなかったんです。
──でも、林檎ちゃんの年代からすると、TOTOのバージョンを聴いてるのは珍しくない?
林檎でしょ?TOTOをすごいカッコイイとは思えないというか、カッコイイのかもしれないし、TOTOの登場にはビックリしたんだろうなとは思うけど、私の年齢からすると想像が付かないわけですよ。もう、なんで、いちいちお風呂で録ったみたいな音なの?っていうのが、可笑しくてしょうがない(笑)。で、もうビデオなんて見ちゃった日には「どうして、服の袖がゆったりしてるの?」って感じで(笑)。
──で、この曲はアルバムには入れないんだよね?
林檎入れないです。これはコピーであって、カヴァーじゃないから。
──なるほどね。
林檎コピーは部活、カヴァーはプロなんです。コピーは真似をするっていうことだから、誰がやってもいいことだと思うんですけど、カヴァーは曲自体が好きで、その矛先は詞曲だけ、素材でしかなくて、それを利用させて頂くっていう。それにこの曲は邪の作品なので(笑)、私のアルバムには入れないです。