OFFICIAL INTERVIEW

世界に照準を定めたVAMPSの本気がマグマのごとく、ここに滾っている。2年半ぶりにリリースされる待望の4thアルバム『UNDERWORLD』。世界的ヒット・メイカーであるアメリカ人プロデューサー、ハワード・ベンソン(Howard Benson)とタッグを組み、昨年8月にリリースされたシングル「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」で拓いた新境地は、今作でいっそうスケール・アップした。ラウド&ヘヴィを極めたサウンド、キャッチーかつエモーショナルなメロディに乗せて、内なる自身の解放を力強く訴えかけるメッセージは国境を越え、大勢のロック・ラヴァーたちの心を揺さぶるだろう。先行シングル「CALLING」を始め、今作の主な制作にはパパ・ローチ(Papa Roach)、 イン・ディス・モーメント(In This Moment)を手がけるトップ・プロデューサー、ケイン・チュルコ(Kane Churko)を起用。そこで彼らが掴んだもの、今作に懸けた想いについてHYDEとK.A.Zにじっくりと聞いた。

  • ——今回のアルバム『UNDERWORLD』の制作に取りかかり始めたのはいつ頃だったんでしょうか。
  • HYDE:厳密に言うと「SIN IN JUSTICE」(APOCALYPTICA × VAMPS)からになるんだよね。一昨年の“BEAST PARTY”の楽屋でK.A.Z君がデモを聴かせてくれたのが最初で。
  • K.A.Z:そうそう。ただ、そのときは次のアルバムをどうするかっていう意識はまだなかった。実際、意識し始めたのは「INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White」からだね。で、今回の先行シングル「CALLING」だったり、このタームの楽曲制作が進むにつれて、どんなアルバムなのかがより明確にフォーカスされていって。
  • HYDE:本気でアメリカを考えよう、狙っていこうってところで去年、10th Street Entertainmentとも契約できたし、僕らはまだアメリカでのスタンダードなレコーディングをやれてなかったので、このタイミングでちゃんとプロデューサーを立ててやってみよう、じゃあ、このプロデューサーはどう? ってリストを挙げてもらってスタートしたのが「INSIDE OF ME」だね。そこから方向性が定まって、現在のアルバムに繋がっていったから。
  • ——今回はかなりヘヴィかつラウドな音色に振り切っていますよね。そういったアルバム・カラーも「INSIDE OF ME」あたりから明確になっていったんでしょうか。
  • HYDE:そうなるのかな。向こうで言う“アクティヴ・ロック”ってジャンルがあるんだけど……。
  • ——アクティヴ・ロック?
  • HYDE:実は僕もよくわからない(笑)。アクティヴ・ロックにはメタルも入るけどパンクも入っていて、なのにオルタナティヴは違うとか、独特のニュアンスがあるというか。
    僕がしばらくアメリカに滞在してるうちになんとなく思ったのはアクティヴ・ロックって“漢気(おとこぎ)があるロック”のことかなって。
  • ——漢気っていうのはかなり的を射てる気がしますね。
  • HYDE:うん、だから歌もファルセットは使わないっていう。今回、ファルセットで歌おうとした曲もあったけど、ダメって言われました(笑)。でも地声のほうはたぶんこれまでよりかなり音域が上がってると思います。
  • ——はい、それは聴いていて思いました。では今回のアルバムはとにかくアクティヴ・ロックのど真ん中で勝負できる作品にしたい、と。
  • HYDE:そうだね。10th がアクティヴ・ロックに強い事務所でもあるので、そこであえて逆の方向に行ってもあまり意味はないし、自分たちもフェスで勝ちたいっていう気持ちがあったので、そのためにはアクティヴ・ロックというジャンルの中にいないと勝てないなって。だから自分が思うハードなロックをより追求していくという意識で制作に臨んでた。
  • ——歌詞が全編英語というのも実は初めてですよね。これはもはや日本のマーケットを見てないアルバムだなと確信しました。
  • HYDE:あちゃー。
  • K.A.Z:狙いはインターナショナルな音楽だから、日本に特化する必要は正直言ってないんだよ。必要ないっていうと言い過ぎかもしれないけど、でも日本に特化するっていうのは音楽に国境を作っているようなものだから。俺らは音楽には国境はいらないと思ってるし、世界のいろんな人に聴いてもらうのがいちばんの目的なわけで。
  • ——ずっとそうおっしゃってましたね。ただ、ここまで思い切ったのかという驚きがあったんです。
  • K.A.Z:例えば何十年か前の日本だったら、こういう方向のロックも多かったと思うんだよ。それがどんどん変化して、今ではポップ・ミュージックがほとんどを占めるようになっていって。もちろん今でもヘヴィなサウンドを鳴らしてるバンドはいるけど、まずメディアには出てこないでしょ? そうすると本当にコアな人、そういう音楽が好きな人しか耳にしなくなってしまう。それも時代だとは思うんだけど、でも俺たちはヘヴィなロックが盛んだった時代に育ったから、逆にその頃の気持ち、ロックに憧れていた時代の気持ちをちゃんと形にしたい。これまでいろんな経験を積み重ねてきて、ようやく今、自分たちの憧れてたものに肩を並べられるくらいのものを作れる環境に身を置けるようになってきたわけだから。
  • ——それはこのサウンドを聴けば納得です。
  • HYDE:うん、アクティヴ・ロック・チャートに入っていても全然おかしくないよね。アクティヴ・ロックがガンガン流れてる中にこれがかかってもまったく違和感がないと思う。むしろ、その中でもかなりカッコいいんじゃないかな。
  • ——「INSIDE OF ME」ではハワード・ベンソン(Howard Benson)氏をプロデューサーに迎えて制作されましたが、今回のアルバムのプロデューサーにケイン・チュルコ(Kane Churko)氏を選ばれた理由というのは?
  • K.A.Z:最近聴いたサウンドでは、パパ・ローチ(Papa Roach)、 イン・ディス・モーメント(In This Moment)がいるんだけど、もともと、この2バンドのサウンドがカッコいいなと思っていて。そしたらサウンド・プロデュースを手がけていたのが両バンドともケインだったっていう。これは面白い偶然だし、自分たちも一緒にできたらいいな、と。今までセルフ・プロデュースでやってきたけど、人の意見だったり、これまでにない要素だったり、何か新しい風が少しでも入ってこないと、自分のやってることがどんどんマンネリ化してつまらなくなってしまうんじゃないかっていう気持ちもどこかにあって。もちろん意見が合わなかったりとか難しい部分も出てくるけど、実際にいろんなブレーンが集まった現場で制作してると全然今までになかった発想やアイデアが生まれてくるんだよね。
  • ——とはいえ、ずっと自分たちのジャッジでやってきた音楽を、他の人に委ねるというのは、なかなか大変だったのではないですか。
  • HYDE:たしかに意見を闘わせることは何度もあったよ。もちろん僕らは彼のサウンドを信頼して作業するんだけど、100%委ねてしまってはダメだと思うんだよね。やっぱり自分たちの個性も入れていかないといけないから、譲っちゃダメだと思うところは闘いましたね。折れるところは折れるけど、なんとか自分の意見を押したいっていうときにはね。ただ、総合的にケインが作るサウンドに憧れてアメリカまで行ってるわけだから、できる限り彼の音に沿ったものにはしたいとは思っていたけど。
  • ——例えばどういったところで闘われていたんでしょう。
  • HYDE:“僕はこっちがカッコいいと思うんだけど”みたいなところだね。ほとんどは僕が折れるんだけど、10個のうち2個ぐらいは“いや、これはこっちじゃない?”って頑張ってみたり。でも“わからないな、日本じゃいいのかもしれないけど、君たちはアメリカで売れたいんでしょ”って言われたら……“イエス”って返すしかない(笑)。
  • K.A.Z:ははははははは!
  • ——その光景を想像しただけで新鮮です(笑)。
  • HYDE:でしょ?(笑) そうなることで空気が悪くなることもあったりしたけど、向こうの人はわかりやすいっていうか、そのまま引きずることもないから。1時間ぐらい出ていっても、戻ってきたら“悪かった、クリアにしよう”って。そしたら僕も“悪かった”ってなるしね。ホント話が早いんだよ。みんな、思ったことは正直に言うし、その中でお互いになるべくいいところを探り合って完成に近づけていくっていうチーム作業だから。
  • ——でも、いろんな意見に対して耳を貸さなければいけない場面が増えたり、そこで気を遣ったり、出てきたものをまとめあげていくのには結構な労力を要しませんか。
  • HYDE:みんなでひとつの作品を作っていれば、それぞれがぶつかることなんて絶対あるし、そこは必然だよね。でも僕たちからするとすごく効率的だし、いいところがいっぱいあって。言うなれば、もうひとりK.A.Z君がいるような感じ(笑)。それぞれに任せるところはちゃんと任せられるっていうのかな。常に歯車が動いていて、それらがすごくいいバランスで噛み合ってる感じ。
  • ——ちなみに「SIN IN JUSTICE」を除くと、制作期間的にはどれくらいだったんでしょう。
  • HYDE:アルバムの作業としては全部足して2ヵ月ちょっとくらいかな。
  • K.A.Z:で、「INSIDE OF ME」の作業で1ヵ月かかったから……。
  • HYDE:トータル3ヵ月くらいか。
  • ——アメリカと日本を行ったり来たりしながら作られていたわけですよね。曲の原形は日本で作って、それを向こうで仕上げる、という?
  •  
  • K.A.Z:そういうのもあるし、ホント断片だけ持っていくっていうこともあったし。わりとフレキシブルにやってたかな、そこは。「CALLING」なんかもイントロ、Aメロ、Bメロ、サビっていうワンコーラス分の繰り返ししかなかったり。
  • HYDE:ほとんどの曲がワンコーラスだったんじゃない?(笑) ケインがどう言うかもあるから、下手に作り込まないほうが逆にいい。彼にもいじってもらいたかったから、そういう余白があったほうがいいし、とりあえずワンコーラスあればなんとかなるよねって。
  • K.A.Z:プロデューサーと作業をするのは今回のタームが初めてだったから、どういった形で楽曲に関わってくるのかも未知で。もちろんプロデューサーによってそれぞれやり方も違うだろうしね。逆にほとんど完成した状態で持っていったとして、自分たちでそれが気に入ってるんだったら、最初からプロデューサーを入れる必要はないわけじゃない? 俺たちは自分たちがいいなと思ったアーティストのアルバムを手がけているプロデューサーと一緒に作業をしたかったし、そういう意味ではケインもハワードも、それぞれとの作業はすごく面白かった。ホントもうひとりメンバーがいる感じ。ふたりともアメリカでトップのプロデューサーで、そのふたりと仕事をしたことで、自分たちがやってきたことはこれでよかったんだって再確認できた部分もあったし、今までになかった新しいことも学べてすごく刺激になったし。
  • ——ハワード氏とケイン氏とではやっぱりプロデュースの仕方も違うんですか。
  • HYDE:全然違うね。でも、まずは日本と全然違う。日本のプロデューサーも何人か知っているけど、日本の場合は基本的にメロディをいじらないし、ダビングとか構成を入れ替えるとかは多少あっても、抜本的に何かを変えるっていうより、引立てるアイディアとかが多いかな。アーティスト優先してくれる。でもハワードやケインはメロディから完全に変えていくし、コードにしても何にしても気に入らないところはどんどん変えていくから楽曲優先なんだよね。間奏がなかったら、それも作っていくし、完全にアーティストなんだよ。
  • ——つまり対等な目線で関わってくれる。
  • HYDE:そう。ふたりとも、アーティストとプロデューサーのどっちが上とか、そういう考え方がないから、まさに一緒に作ってる仲間っていう感じで、それはすごくいいなと思った。で、ハワードの場合はアシスタントやスタッフを含めてのプロフェッショナルなチームでの作業だから、常にミーティングしながら“このメロディはちょっと違うな。何かアイデアはある?”“う〜ん、それも違う。じゃあこうしよう”みたいにして進めていって、大体1日で1曲の作業がほぼ全部終わる感じかな。
  • K.A.Z:ホント、そこはプロフェッショナルだよね。その現場に必要な優れた人たちの集まりだし、アイデアの宝庫というか。
  • HYDE:逆にケインは全部ひとりでやる、最初っから最後までアシスタントなしで。歌詞のミーティングをするときも僕らと彼だけでやるし、曲も書けば、ベースもギターもあわよくば弾いちゃう(笑)。今回のマスタリング作業も全部ケインが手がけてるしね。
  • ——それはすごいですね。でもハワード氏もケイン氏も各々のやり方があって面白いです。K.A.Zさんがおっしゃったようにたしかにかなり刺激になりそう。
  • K.A.Z:うん、すごく刺激になった。しかもレコーディング自体もスムーズで。大体、昼から始めて夕方6〜7時、遅くとも夜8時には終わるから。集中力ってそんなには保たないから、とにかく短時間で出せるものを出して次の日に疲れを残さないっていう。日本だと昼から始まって夜中まで、下手すると次の日の明け方まで作業するのがわりと当たり前になってるけど、それだと頭が働かなくなるでしょ。アイデアだって頭が疲れてると出てこないし、体にもどんどん疲れが溜まっていくだけ。それはあんまり効率的ではないよね。だから、あっちのプロデューサーとの作業はパッとやって“はい、今日は終わり”っていう。
  • ——とても健康的なレコーディングだったんですね。
  • K.A.Z:日本のやり方に慣れすぎると戸惑うだろうけどね(笑)。でも、ちゃんとリフレッシュした耳で録ったものを聴けるし、アルバムの長いレコーディング作業を考えると、基本的にはその方がすごく効率はいいんだよね。
  • ——あと今作を聴いて思ったのは、ライヴで鳴らしてカッコいい音、ライヴで発して刺さる歌詞がギュッと詰め込まれているなって。そこは意識されていたのでしょうか。
  • K.A.Z:もちろん、ここはみんなで歌えたらいいよね、みたいなアイデアはライヴを意識したものだけど、だからといって、常にライヴばかりを考えてたわけでもなかったよ。とにかく聴いてカッコいいものを作る。で、それをライヴでやったら結果的にものすごく映えるっていう感じかな。
  • HYDE:そうだね、ライヴっていうとちょっと語弊があるかもしれない。それを言うならフェスで勝てるアルバムって言ったほうが近いし、わかりやすいと思う。アメリカ人に聴かせたときにちゃんと通用するものっていうコンセプトはあったから。
  • K.A.Z:たしかにみんなを巻き込めるような曲、誰もが拳を挙げて歌いたくなるような曲は多いと思うけどね。みんなが参加したくなるような、一体感を感じられる曲というか。それによってバンドもパワーがもらえるし、また演奏の熱量も上がるだろうし。
  • ——レコーディングで特に苦労した曲などはありますか。例えば歌に関してこの部分が難しかったとか。
  • HYDE:歌はどれも早かった、今回は。だから苦労っていうか……「RISE UP」はかなり変わったね。最初はもっと日本的な曲だったんだけど、そこがケインには全然理解できなかったらしくて(笑)。でも彼なりに“これならいける”っていうところを上手く見つけてくれたのが現在の形。
  • ——たしかに「RISE UP」は、疾走感のあるストレートなロックという印象でした。アルバムの中でもラウド色が薄めで。
  • HYDE:最初はそれがもっと日本的だった。日本的というかエモっぽかったんだけど、そこをケインがアクティブ・ロック寄りに落とし込んでくれて。これではアメリカでは受け付けないっていうのがやっぱりあるんだよね。アメリカではエモは何年も前に終わってるんだけど、逆に日本ではすっかり根づいてるじゃない? そこですでにズレてるっていう。向こうではラジオを聞いててもほとんどエモは流れないから。
  • ——「CALLING」は先行シングルにもなっていますが、なぜこの曲をシングルに選んだんでしょう。
  • HYDE:去年の9月かな、この曲のレコーディングがケインとの最初の作業で。そのときになんとなく“この曲は優秀だね”って感じがあって、ただ、まだ時間はあったから他の曲が出揃うのを待ってたんだよね。で、「IN THIS HELL」も候補に挙がったんだけど、バラード調の曲だし、このタイミングでシングルにするのはちょっと早いかなって。やっぱり最初は勢いよくいきたかったし、満場一致で「CALLING」だな、と。
  • K.A.Z:ケインと初めて一緒に仕事をしてできあがった曲だったし、これによってアルバムを作っていくことにすごく期待感を持てたというか、このプロデューサーとだったらもっと面白いことができるかもって思わせてくれた曲でもあったから。
  • ——「BREAK FREE feat.KAMIKAZE BOY of MAN WITH A MISSION」ではMAN WITH A MISSIONのベーシスト、KAMIKAZE BOYさんがゲスト参加されてますが、これはどういった経緯で?
  • K.A.Z:マンウィズがLAでライヴをやっていて、オフにラスベガスに遊びにきてくれたんだよね。このタイミングで参加してもらうのもありかもねって話になってスタジオに来てもらったっていう。そのときにどんな反応をするかなと思って「CALLING」を聴いてもらったら、すごくビックリしてくれて。あれはうれしかったな。
  • ——「BLEED FOR ME」はホラー感漂う1曲ですね。
  • HYDE:鋭いね。
  • ——狙ったんです?
  • HYDE:K.A.Zさんが狙いました(笑)。実はこれ、前のアルバムのときに作ってきてた曲で。おどろおどろしすぎて“これはやりすぎでしょう”ってそのときはボツになったんだけど、今回、また復活してきたっていう。
  • K.A.Z:ホント、ホラーだよね、この曲は。死ぬに死ねなくて、怨霊のように復活しちゃって(笑)。
  • ——復活してよかったです。VAMPSがこういう曲をやるとハマるなって思いました。
  • HYDE:うん、たしかに今回はハマってる。僕もこういう、すごくドロドロしてるんだけどセクシーなヤツを作りたかったし、実際、すごくカッコいい曲になったと思う。ただ、カッコいいんだけど、朝からこの曲を作業してると憂鬱になるっていう(笑)。ガ〜〜〜ンって鐘まで鳴ってるし。
  • K.A.Z:朝から暗黒の世界(笑)。
  • HYDE:夜に酒を飲みながら聴くにはすごくいいんだけど。
  • ——「IN THIS HELL」は綺麗な旋律と内省的な歌詞が心に染み込んでくるようなバラードですね。
  • K.A.Z:ちょっと近未来的でもあるよね。
  • ——そう思います。歌詞に描かれているのもデジタル社会に対してのアンチテーゼ的な世界観で。
  • HYDE:僕自身はアンチテーゼとか、そんなこと全然思ってないんだけど、ちょうど映画『GHOST IN THE SHELL』のトレーラーを観たタイミングだったので、その影響かな(笑)。好きなんですよ、こういう世界が。今年は『GHOST IN THE SHELL』も公開されたし、『ブレードランナー 2049』もあるし、こういう世界観ブームがくるね、きっと。 
  • ——「B.Y.O.B.(BRING YOUR OWN BLOOD)」はライヴでもガッチリ盛り上がりそうなVAMPSらしいパーティ・チューンで。
  • K.A.Z:これ、いちばん最初はデジタル・オンリー、ギターを一切使わずにプログラミングで作ってて。だからギターを入れるイメージもなかったんだけど、ケインに聴いてもらったら“これは面白いかも”って言ってくれて。で、みんなで作業していくうちにどんどんパーティー・チューンになっていったっていう。最初のイメージとしてはもっと無機質な感じだったものが、すごくいい意味で化けた曲。
  • ——「DON'T HOLD BACK」はメロディアスな、それこそ日本的なロック・ナンバーという印象がありますが、アクティヴ・ロック的には大丈夫だったんです?
  • HYDE:僕もそれは思ったんだけど(笑)、ケインから特に何も言われなかったし、大丈夫だったね。作業的に最後のほうの曲だったから、さすがに疲れてたのかも(一同爆笑)。
    年明けに僕が持っていったのがこの曲と「RISE UP」と「UNDERWORLD」の3曲だったんだけど。
  • ——「UNDERWORLD」はそんなに最近の曲だったんですね。タイトル曲だし、アルバムの1曲目を飾る曲だから、もっと早くにできていたのかと思ってました。
  • HYDE:1年前ぐらいから構想はあったんだよ、こういう曲を作りたいなっていう。で、ちょこちょこやってはいたんだけど、やっぱり先にシングル候補になりそうな曲を作ったほうが僕的には安心なので、これに関しては後回しにしておいたというか。その間に「DON'T HOLD BACK」や「RISE UP」、「IN THIS HELL」の原形を先に進めて、年明けぐらいにそれらがまとまってきたときに“よし、じゃあ僕が作りたかった曲を作ろう”と。やり始めたらすぐに形になったけどね。
  • ——イメージしていたのはどういうものでした?
  • HYDE:ギャング・テイストというか、ワイルドな悪い感じを出したかった。ヴァンパイアと不良のミックスをうまく表現できないかなと思いながら作ってて。
  • K.A.Z:この曲は俺、昔、自分がモトリー・クルーを聴いたときに感じた“悪さ”みたいなものが第一印象からすごく感じて。“アメリカで売れそう!”って思った(笑)。いい意味で王道のロックな部分もあるし。
  • ——アルバム・タイトルが『UNDERWORLD』に決まったのは、この曲ができてからですか。
  • HYDE:アルバム・タイトルのほうが先だったね。年明けのミーティングで“アルバム・タイトルはどうする?”って聞かれて僕が出したアイデアが『UNDERWORLD』で、みんなもいいねって言ってくれて。で、次にこの曲をケインに聴かせて、みんなの反応がよかったら、この曲のタイトルも「UNDERWORLD」にしよう、と。実際、反応が悪くなかったので、こうなったっていう(笑)。
  • ——様子見しなくても、最初から付けておいてもよかったんじゃ……。
  • HYDE:だって、みんなが微妙だな〜って顔をしちゃうものをアルバム・タイトルにはできないじゃないですか? そんな勇気はさすがにない(笑)。
  • K.A.Z:たしかに(笑)。
  • ——“UNDERWORLD”という言葉からは、表面には見えない裏の世界だったり、地下室の雰囲気とか、もっと言えば人間の深層に潜んでいる本質、みたいなものを連想しますが。
  • HYDE:そうだね。もともとVAMPSはそういうものを表現してきてて。ステージが地下のイメージだったり、背景には街の風景が見えてるんだけど、実際の舞台はアンダーグラウンドなスラム街みたいな世界だったり、そういう、現実にあるようでないような部分に存在してる世界を表現しようとしてきたんだけど、今までその場所に名前がなかったから。だったらそこに名前を付けようってことで『UNDERWORLD』。すごく僕らにぴったりだと思うけどね、『アンダーワールド』っていう吸血鬼の映画もあるし(笑)。
  • ——歌詞に散りばめられている“真実”とか“本当の自分”っていうのも言うなれば“UNDERWORLD”ですよね。“もっと自分の内面を晒せ”と聴き手に迫るような言葉が多い印象ですが、歌詞に関して作品全体で何か訴えたいことはあったんでしょうか。
  • HYDE:いや、歌詞は必然的にそうなったっていう感じかな。ヘヴィなサウンドに乗せるとなったら、やっぱり日常的なことよりメッセージ性だったり精神的に訴えかけるような言葉じゃないと合わないから、どうしても強い何かにはなるよね。もちろん僕が普段思ってることでもあるけど、曲を聴いた印象から導き出された言葉でもあると思うし。あと、ライヴのときに、みんながここで叫んだら気持ちいいだろうなとか、そういうところでチョイスした言葉もあるしね。
  • ——ところでVAMPSの“UNDERWORLD”、すなわち人に見せてない部分、深層に秘められたものというとなんでしょう。
  • HYDE:それは……アンダーウェアじゃない?(笑) K.A.Z君のアンダーウェア、すごいよ。
  • K.A.Z:どうする? クマの絵が描いてあったら(笑)。
  • ——それはものすごい真実ですね(笑)。そうそう、シングル「CALLING」のカップリング曲にデペッシュ・モード(Depeche Mode)のカヴァーで「ENJOY THE SILENCE」を選ばれた理由も知りたいです。
  • HYDE:もともとカップリングはなるべくカヴァー曲にしたいっていう意向が自分たちの中にあって、今回は何がいいか、アメリカのマネージメントにも聞いてみたら“こういうバンドがいいんじゃない?”ってリストをもらって。その中にデペッシュ・モードが入ってたんだよね。僕、デペッシュ・モードはずっと聴いてたし好きだったので、だったらやりたいなと思って選ばせてもらったんだけど、最初に僕が候補に挙げた曲は古いからダメって言われて(笑)。じゃあどの曲ならいいですかって聞いたら「ENJOY THE SILENCE」が上がってきたっていう。でも、僕が挙げた曲と2年ぐらいしか変わらない(一同爆笑)。
  • ——決定的な何かがあるんでしょうね。
  • HYDE:たぶんメジャーな曲かどうかってところなんだろうね。たしかに、よくよく調べてみると「ENJOY THE SILENCE」はライヴでもみんなが大合唱していたり、いろんなアーティストがカヴァーしてたりするから。
  • K.A.Z:今はVAMPSっていうブランドをいかにして海外の人たちにも知ってもらうか、VAMPSの音楽をどれだけたくさんの人に手に取って聴いてもらえるかが大切な時期でもあるから。世界中が知ってる曲だったら“あれ?”って耳に引っかかる人も多いだろうし、“これは誰がカヴァーしてるんだろう”って話題にもなりやすいと思うし。ま、原曲のほうがめっちゃ明るいけど(笑)。
  • ——そこはVAMPS仕様でよりダークに。でも歌い方とか、すごく原曲に忠実じゃないです?
  • HYDE:これでも、なるべく違う感じに歌おうとしてるんだけどね。ずっと歌ってきた曲だから、普通に歌うともっと似ちゃう(笑)。それぐらい影響を受けてるので。

MOVIE

NEW ALBUM UNDERWORLD 2017.4.26 Release

UNDERWORLD ジャケットの反射
他ストアはこちら
収録曲(SHM-CD仕様/全形態共通)
    1. 01. UNDERWORLD
    2. 02. CALLING
    3. 03. BREAK FREE feat. KAMIKAZE BOY of MAN WITH A MISSION
    4. 04. DON’T HOLD BACK
    5. 05. BLEED FOR ME
    6. 06. IN THIS HELL
    1. 07. INSIDE OF ME feat. Chris Motionless of Motionless In White
    2. 08. RISE OR DIE feat. Richard Z.Kruspe of Emigrate / Rammstein
    3. 09. SIN IN JUSTICE feat. APOCALYPTICA
    4. 10. B.Y.O.B (BRING YOUR OWN BLOOD)
    5. 11. RISE UP
  • 初回限定盤A
    SHM-CD & Blu-ray

    UICV-9236 ¥5,000(税抜)

    Blu-ray:

    1. VAMPS LIVE 2016
      at ZEPP TOKYO 2016.09.17
    2. INSIDE OF ME
    3. LIPS
    4. COUNTDOWN
    5. EVIL
    6. VAMPIRE DEPRESSION
    7. EUPHORIA
    8. DEVIL SIDE
    9. PIANO DUET
    10. GHOST
    11. RISE OR DIE
    12. AHEAD
    13. ANGEL TRIP
    14. SIN IN JUSTICE
    15. BLOODSUCKERS
    16. MIDNIGHT CELEBRATION
    17. THE JOLLY ROGER
    18. MEMORIES
    19. LOVE ADDICT
    20. SEX BLOOD ROCK N’ ROLL
  • 初回限定盤B
    SHM-CD & DVD

    UICV-9237 ¥4,000(税抜)

    DVD:

    1. 「CALLING」ミュージックビデオ
    2. 「CALLING」メイキング映像
    3. 「INSIDE OF ME」ミュージックビデオ
    4. 「RISE OR DIE」リリックビデオ
    5. 「SIN IN JUSTICE」リリックビデオ
    6. VAMPS LIVE 2016 ツアードキュメンタリー
  • 数量限定特別BOX仕様 初回限定盤C
    SHM-CD & Blu-ray & DVD & スカジャン

    UICV-9238 ¥17,000(税抜)

    Blu-ray:

    1. 初回限定盤A(UICV-9236)と同内容

    DVD:

    1. 初回限定盤B(UICV-9237)と同内容
    • ・ワンサイズのみ(Lサイズ相当:着丈75cm / 身幅60cm / 袖丈77cm)
    • ・スカジャンデザインは1種類のみ、カラーはブラック&ワインレッドのみ
    • ・スカジャンデザインは変更になる可能性があります、ご了承ください。
    スカジャン
  • 通常盤
    SHM-CDのみ

    UICV-1082 ¥3,000(税抜)

初回出荷分封入特典(初回限定盤、通常盤共通)
  • ・シングル「CALLING」& アルバム「UNDERWORLD」連動企画“VAMPS CHANCE”シリアルナンバー

    ・「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」追加公演チケット先行応募チラシ
      受付期間:4月26日(水)12時~5月7日(日)23時59分
    VAMPS CHANCE詳細はこちら

NEW SINGLE CALLING 2017.3.22 Release

CALLING ジャケットの反射
他ストアはこちら
  • 初回限定盤

    UICV-9235 ¥1,800(税抜)

    収録曲:

    1. 1. CALLING
    2. 2. ENJOY THE SILENCE
    3. 3. THE PAST- Live -
    4. 4. REPLAY- Live -
    5. 5. SWEET DREAMS- Live -

    *VAMPS LIVE 2016 追加公演 -ACOUSTIC DAY- (2016.9.20)

  • 通常盤

    UICV-5060 ¥1,000(税抜)

    収録曲:

    1. 1. CALLING
    2. 2. ENJOY THE SILENCE
初回封入分出荷特典(初回限定盤、通常盤共通)
  • 1.シングル「CALLING」& アルバム「UNDERWORLD」連動企画“VAMPS CHANCE”シリアルナンバー
    VAMPS CHANCE詳細はこちら
  • 2.シングル「CALLING」購入者対象 「VAMPS LIVE 2017 UNDERWORLD」チケット先行受付