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STREAMING AVAILABLE on 2024.7.28

サブスク全曲解禁

初アナログ化含む全オリジナル・AL
アナログ盤一挙発売

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ストリーミングガイド

RELEASEリリース情報

2024年9月25日発売

1st AL 1991年4月12日

Red Guitar and the Truth

2nd AL 1992年1月22日

BANG!

2024年11月27日発売

3rd AL 1993年2月24日

C.B.Jim

4th AL 1993年12月1日

METAL MOON

2025年より順次リリース


5th AL 1994年5月25日

幸せの鐘が鳴り響き 僕はただ悲しいふりをする

6th AL 1995年3月1日

THE SIX

7th AL 1995年11月22日

SKUNK

8th AL 1997年6月18日

LOVE FLASH FEVER

9th AL 1998年6月24日

ロメオの心臓

10th AL 2000年5月10日

HARLEM JETS

※レコードジャケットのデザインは変更になる可能性がございます。

MOVIE動画

ABOUT BJCBJCとは?

浅井健一(Vo/Gt)、照井利幸(B)、中村達也(Dr)からなる「音楽」の強さと美しさが極限まで昇華された3ピースロックバンド、BLANKEY JET CITY。 当時から「存在自体が奇跡」と評されるほどに、この超個性的な3人による圧倒的なパフォーマンスとその世界観は、音楽を愛する人々の心を強く揺さぶり、2000 年の解散後もいまだに音楽シーンに絶大な影響力を誇り、全世代から激しくリスペクトされ続けている。

今こそBLANKEY JET CITYが聴かれるべき理由

「伝説」は、ただ懐かしむためにあるわけじゃない。

もちろん当時の熱狂を肌身で覚えている人は今回のサブスク全曲解禁とアナログ盤一挙発売に歓喜していることだろう。けれど、むしろ、BLANKEY JET CITYを知らない若い世代にこそ彼らの音が届いてほしい。そのきっかけになってほしいと強く願う。

なぜって、こんな格好良さを持ったロックバンドは他のどこにもいないから。解散から20年以上が経った今もそれは変わらない。他のどんなバンドもその代わりにはならない。

BLANKEY JET CITYの魅力のひとつは、浅井健一、照井利幸、中村達也という3人の奇跡的なトライアングルにある。荒々しい不良性と繊細な美意識を併せ持つベンジーこと浅井健一の歌とギター。クールでストイックな照井利幸のベース。野性的で熱い中村達也のドラム。誰が欠けても成立しない。誰が核になっているわけでもない。屈強で獰猛な男たちが音楽の中で真っ向からぶつかり合い、一触即発のスリリングな演奏の中で火花が散るようなきらめきを生み出す。それが唯一無二のロックンロールに結実する。

その美学は、沢山の人たちにとっての憧れの対象になってきた。たとえばKing Gnuの常田大希など、多くの後続世代のアーティストに影響を与えてきた。だからこそ、もしBLANKEY JET CITYが当時を知る人たちの記憶の中だけに埋もれてしまうなら、それは日本のロックシーンの歴史全体における大きな損失になるはずだ。

BLANKEY JET CITYの魅力は、ロマンティシズムに満ちた楽曲の世界観にもある。パンクやロカビリーをルーツに持ちながら、単なる衝動の叫びとは違う、ときに純真で、ときにヒリヒリとした、深く心に刺さる文学的な言葉を歌ってきた。 浅井健一が綴る歌詞には、その街に暮らす人間や動物たちの物語が、たびたび描かれる。そこから、研ぎ澄まされた切迫感や、刹那的な喜びや、巨大な孤独や、胸を焦がす情景の数々が浮かび上がってくる。まるで詩人のような感性がそこには息づいていた。

1991年のメジャーデビューから「冬のセーター」や「悪いひとたち」や「ガソリンの揺れかた」や「赤いタンバリン」など数々の名曲を世に放ってきた彼らは、2000年5月10日、10枚目のアルバム『HARLEM JETS』のリリースと同日に新聞広告で解散を発表する。7月8日、9日にバンドは横浜アリーナで最後のワンマンライブ「LAST DANCE」を開催。そして7月28日のフジ・ロック・フェスティバルにて国内アーティストとしては初となるヘッドライナーをつとめ、それがラストステージとなった(ちなみに翌日の7月29日にはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが同じくヘッドライナーを務めている)。

筆者はその両方に足を運んだ。その場にあったのは、3人がすべてのエネルギーを燃やし尽くしたような、バンドの到達点としてのステージだった。派手な演出や映像があったりするわけじゃない。ギターとベースとドラム、そして歌。それだけでこんな「高み」にまで達することができるんだと実感した。ゾクゾクするような体験だった。

時が経ち、時代が移り変わっても、彼らの楽曲に刻み込まれた輝きはまったく色褪せていない。その興奮の本質にぜひ触れてほしいと願う。


柴那典(音楽ジャーナリスト)