共振する歌と物語が謳う「生きる」ってこと。

人間の本能に因る悲喜こもごもが物語るのは、脚本・演出を手がけた創作活動の盟友・御徒町凧とともに森山直太朗がずっと向き合ってきた主題。荒唐無稽気味に表現される生理的な欲求に失笑させながら、社会的な欲求には当世と照らしてみる。15周年ツアーをともにしたバンドメンバーたちが演奏のみならず、役者として作品に貢献する様はもはやミュージシャンの余技ではない。

岩尾知明さん
FM COCOLO/FM802

ライヴと芝居の間を自由に行き来する､“超表現者”森山直太朗の凄み

ミュージシャンも役者も“表現者”だ。しかしその定義は？という問いには、それぞれ答えが違うはず…と勝手に思っていた｡しかし森山直太朗が劇場公演『あの城』で､ライヴと芝居の間を自由に行き来する姿は､僕の想像を軽々と飛び越えて、“表現するとは”という事を教えてくれた気がする｡

田中久勝さん
音楽&エンタメアナリスト

おもしろあの城

これから何が始まるんかなぁ、、というワクワクで、スタートした「あの城」。直太朗さんはもちろん、バンドの方々の演技には、本当にびっくり！役者さん！演奏シーンとのギャップも楽しくて。ストーリーとリンクした楽曲は、通常公演とまた違う聞こえ方、それもまた新鮮で、生歌ありEDMあり、ほんとに面白くて楽しい、あっという間の時間でした。

栗花落 崇さん
スペースシャワーTVプロデューサー

「芝居の中に人生がある」

人生は芝居のごとし――福沢諭吉の格言だが、森山は舞台に立つことで人生が成り立っているようなフシがある。日常の彼は掴み切れない自分にいつも戸惑っているからだ。そんな彼にとって歌と芝居によるこの舞台は、生きてる実感を存分に享受できる場所だ。芝居こそ彼にとっての〈人生〉なのだろう。

樋口靖幸さん
音楽と人

あやふやな人生における“大切な何か”を実感

普遍的なポップスであると同時に豊かな物語であり、優れた哲学でもある森山直太朗・御徒町凧の音楽世界が、舞台という場所でしっかりと可視化され、演じられ、歌われる。「あの城」は、何もかもがあやふやで危うい人生における“いちばん大切な何か”をじっくりと味わうことができる、きわめて貴重な機会だと思う。

森朋之さん
音楽ライター