Album

秋ゆく街で オフ・コース・ライヴ・イン・コンサート

オリジナル
ETP-72024
1974.12.20
廃盤
CD
TOCT-25633
2005.03.24
2,190円(税抜価格)+税
SHM-CD
TOCT-95033
2009.01.21
2,476円(税抜価格)+税

1974年10月26日中野サンプラザホールでのリサイタル“秋ゆく街で”を収録。カバー曲メドレーやステージMCなど、初期のオフ・コースを知る上で貴重な作品

収録曲

1 WHAT'S GOIN' ON
2 MEDLEY
3 竹田の子守唄
4 白い一日
5 メドレー: 悩み多き者よ~傘がない
6 青春
7 秋ゆく街で
8 水曜日の午後
9 僕の贈りもの
10 のがすなチャンスを
11 白い帽子
12 別れの情景(I)
13 キリストは来ないだろう
14 でももう花はいらない
15 アンコール: 僕の贈りもの

解説

 レコードというのは時間の記録である。そのアーティストやバンドがどんな風に成長していったのか、音楽的な面はもちろんのこと、その時、その年齢の有り様が刻み込まれている。そういう意味で言えば、ライヴアルバムこそ、最たる記録でもある。

 オフコース三枚目のアルバムはライヴアルバムだった。1974年10月26日、中野サンプラザである。彼らにとっては初めての大ホールだった。アルバムの中で、小田和正と鈴木康博は、異口同音に「こんな広いところでやれて」という話をしている。74年5月5日、2枚目のアルバム「この道をゆけば」の発売日に日本青年館でワンマンコンサートをやったのが最も大きい会場だった。キャパは800人。サンプラは約2,000人。無謀という声に対して二人が出した条件がレコーディングメンバーによる演奏だったと言う。

 記録ということでは、オフコースの全アルバムの中でも最も貴重な意味のある一枚がこれなのではないかと思う。

 何よりも選曲が興味深い。前半は彼らが好きな洋楽と邦楽のカバーで後半がオリジナルという二部構成。一部の一曲目はマービン・ゲイの71年の大ヒット「WHAT'S GOIN' ON」だ。二曲目にメドレーになっているのはエルトン・ジョンに始まり、ロバータ・フラックとダニー・ハザウェイ、スタイリスティックスの二曲、カーペンターズ、ビージーズ、ビートルズと続いて行く。70年代前半のフィラデルフィア・ソウルやバート・バカラックなどのA&Mサウンド。フォークグループというイメージに収まらない選曲とアレンジは彼らのルーツというより同時代的な音楽センスを感じさせるだろう。

 邦楽のカバーは、赤い鳥の「竹田の子守唄」から始まっている。1969年のライトミュージックコンテスト優勝グループ。オフコースは二位だった。もし赤い鳥がプロになっていなかったら、僕らもなっていなかっただろうと語る永遠のライバル。小椋佳は、この年にブームになった。斉藤哲夫と井上陽水のメドレーも興味深い。しかも陽水を「僕らと同じようにルックスで勝負している」と形容している。彼らの当時のステージのシャイなほのぼのとしたMCがそのまま味わえる。「長嶋選手になったような心境」と小田和正は話している。巨人軍の長嶋茂雄選手の引退試合はこのライヴの一週間前だった。

 二部のオリジナルの「青春」「秋ゆく街で」「白い帽子」「キリストは来ないだろう」はこの日のために書き下ろされた新曲。このステージで、直前に発売されたばかりの新曲「忘れ雪」を歌わなかったことは“「忘れ雪」事件”としてファンの間にも知られている。作詞・松本隆、作曲・筒美京平、自分たちが望んだオリジナルではなかったからだ。

 小田和正は最近もテレビで他人の曲をカバーして歌ったりしている。好きな曲、良い曲を歌いたい、そんな姿勢はすでにこの頃からそうだった。

田家秀樹

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