Videogram

NEXT VIDEO PROGRAM

VHS
 
1982.11.21
廃盤
DVD
TOBF-91024
2003.10.29

1982年9月29日TBS系特別企画番組で放送されたオフコース・スペシャル番組「NEXT] のDVD化作品。

Contents

BGM(連行のテーマ)
メドレー
プログラム
練習日初日
9月18日 散歩
9月19日 午後
記者会見
9月20日 誕生日
9月21日 NEXT
LIVE
エピローグ

解説

 すでに何度か触れてきているように、オフコースは、自分たちの環境も含めて、何が出来るか、何をなすべきかについて完全主義を求めてきたバンドだった。82年1月の初のテレビ番組が民放でもなければ音楽番組でもない、NHKの教育テレビのドキュメンタリーだったというのもその一つだろう。

 テレビに出ないグループというイメージが定着すればするほど当然、オファーも増える。その中で民放と組んだ初の試みが、82年9月29日にTBS系列で放送された「NEXT」だった。脚本・監督・主演・音楽、いずれもオフコース。「若い広場」が、100%”撮られる側”だったのに対し、これは”撮られる側”であると同時に自らが”撮る側”でもある。

 設定は1987年。武道館公演の5年後。バンドを解散した彼らは、それぞれ別の人生を歩んでいる。小田和正はプロゴルファーに転向して初の優勝を飾る。鈴木康博は音楽を続けていて作曲活動を行っている。松尾一彦はサラリーマン生活を送っていて、清水仁は南の海でくつろいでいる。そこに正体不明のサングラスの二人組が登場し、彼らを強制的に連行する。事情の飲み込めない4人に、中村敦夫扮する首謀者らしき男は、「もう一度武道館コンサートをやるよう」に命じ、奇妙な監禁生活が始まる。

 ”オフコース解散”がマスコミをにぎわす中で、それを逆手に取ったような設定。脱出を試みたものの失敗、パンフレット作成、ステージセットの発注、そして記者会見。彼らの知らないところで計画は着々と進行し、ついにその日を迎えることになる。

 架空の設定の面白さ。その中で演技するメンバーのそれぞれの持ち味と時折覗かせる素顔。それはドラマであってドラマでないというストーリーだからこそだろう。謎の地下室で行われるリハーサルはそのままプライベートなスタジオ・ライブのようでもある。

 もちろんライブシーンも織り込まれる。”再現”される武道館のステージは82年6月30日。武道館10日間の最終日。そうやって使われることで過剰な思い入れや意味づけに陥らないライブ映像になっている。

 オフコースがビートルズの影響を受けていると言うことは今更説明の必要もないだろうが、パーテイ・シーンでのパイ投げやテレビのコメンテーターのパロデイなど、コミカルな場面やカメラワークには、「ヤアヤアヤア」や「HELP!」など一連のビートルズ映画の影響を見て取れる。ちょっぴり捻ったユーモアのある設定自体が、どこかビートルズ的だ。ストーリーには、思いがけないオチがついていた。そうやって連行・監禁までして武道館公演を再現しようとした真の首謀者がドラムの大間ジローだった、という切ないオチだ。彼が一番ファンの気持ちに近かったということでもあるのかもしれない。

田家秀樹

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