林檎ちゃんがレギュラーパーソナリティーを務めるFM番組、「椎名林檎の悦楽巡回」。この番組は、林檎ちゃんが約1時間喋り続けて、林檎ちゃんの好きな曲をかけまくるという、林檎ファン必聴の内容なのですが、残念ながら九州地方でしか聴くことができません。そこで、番組を聴けなくて地団駄をふんでいる林檎ファンのために放送の様子をちょっとだけ文章で誌上再現 !
それでは、第2回目の放送(10月12日 OA)から、エンディングの部分をどうぞ !

 愛情っていうことなんだけど…。愛情ですね、いかがです? 肩書きを決めることが愛の表現じゃないと私は思ってるんですけど。これはたぶんね、いろんな意見が出てきちゃうと思うんだけど、“無条件の愛情”っていうのを私はすごい考えてて。イギリスに3か月ぐらいね、デビューすることを迷って、一人になるために行ったんですけど。その時に一番考えたのはそのことだったんですよ。親のことが大事とか、例えば子どもができたら子どもかもしれないけど、親戚とか、「血がつながっていると、無条件の愛情で結ばれてる」とかってよく言うじゃないですか? でも私ね、確かにすごく離れてみて「誰に会いたくなるんだろうな?」って思ってたら、母親とか父親に会いたいと思ったんですけど、「これはもしかしたら馴れ合いかも?」って思ったんですよ。今まで育ててもらった後ろめたさとかじゃなくて…、「感謝の気持ちを愛情と履き違えてるのかしら?」って思って。頭でっかちっぽいけど、本当に考えてて。でもできれば、親戚とか血がつながってない人に対してでも、その人が生きてることを何となく見守りたいって思うこととか…。その人に言わなくてもいいんだよね、好きとか嫌いとかそんなの言わなくてもよくて、その人は勝手に生きてて、私とは何らかの形で関わってたり関わってなくてもいいんだけど、そういうシンプルなことをすごい素敵だなって思うこととか、愛しく思うことをただ感じるだけっていうのは、「私はできないのかな〜?」って今だに探してるんですけど。私はこれを永遠のテーマだと思ってて、死ぬまでずっとこれをテーマにしていこうって決めたことでもあるんですけど。それで、私のテーマに何とピッタリな曲があったわけですよ。曲もいいし詞も素敵。これね、シンディ・ローパーが作詞してる曲で。日本語に訳すとさっきからお話ししてる“無条件の愛情”っていう意味なんですけど。この曲をセカンドマキシシングルの『歌舞伎町の女王』のカップリングとしてカバーさせていただいてるんですけど、これはシンプルな形でも聴けるんですよ。だからね、私はあえてストリングス、弦楽四重奏でやらさせていただいてるんですけど、ぜひお聴きください。お別れのナンバーは、椎名林檎の『アンコンディショナル・ラブ』です…。