林檎ちゃん曰く「パイレーツ並の忙しさ」の中、夏の終わりと共にスタートしたファーストアルバムのレコーディングも無事に終了。でも、スタッフの様子がちょっと変。なんだかとってもお疲れのご様子ですけど…。ディレクターさん、レコーディングで何かあったんでしょうか?
 「大抵のレコーディングは、冷静沈着なスタッフと着実なプレイをこなすミュージシャンとで淡々と進んでゆくもの。だが、常に熱く濃〜いアーティスト椎名林檎の場合はちと違った。林檎の熱さに感染したスタッフは、演奏が始まるやいなや総立ち。興奮のあまり踊り出す者、飛び跳ねる者、走り出す者、頭を振る者、泣き出す者。ここはライヴ会場? 演奏が終わり、歓声が上がり、レコーダーが止まった。マスターテープに熱く濃い音が残った。そして翌日、全員筋肉痛になった。傷む場所はそれぞれだった。勝ったと思った。」
 おっと、早くも勝利宣言? レコーディングのスタッフまでをも踊り狂わせたというファーストアルバムのタイトルは『無罪モラトリアム』に決定。何だかもの凄いタイトルですけど、ガールズポップなんていう甘〜い言葉なんて吹き飛ばすほどロック度が高く、ロックという言葉ではとても語りつくせないほどに、林檎ちゃんの幅広い音楽性がバーストした超傑作に仕上がっているということで、部屋で聴いても筋肉痛間違いなし。気になる発売は99年2月24日。お年玉を使わずに震えて待て!
 「2月まで待ちきれない! 」という林檎ファンは、1月20日発売の三発目マキシシングル『ここでキスして。』を聴いて、しっかりと準備運動をしておくように。カップリング曲の『眩暈』と『リモートコントローラー』はアルバムには収録されないので、こちらももちろん要ゲット!