林檎ちゃんがパーソナリティーを務めるFM番組「椎名林檎の悦楽巡回」の誌上再現。今回は第8回目の放送(11月23日OA)から、リスナーからの「自慢できるものはありますか?」という質問に対する林檎ちゃんの珍解答。林檎ちゃんの意外な小学生時代が明らかに…。

 自慢できるものというのはね…。とりあえず思い出したのは、私ね、マンション住まいで犬が飼えなかったんだけど、動物がとにかく好きで、もう「絶対調教師になる!」とかって卒業文集に書いちゃっているくらいなんですよ、凄く恥ずかしいんだけど(笑)。小学校の頃のクラスでの私のポジションって凄い変な場所にあって、今みたいにぶっちゃけてなかったから、喋ったりするのが凄い苦手で、いつも犬の図鑑とかを買ってて。それで、親とお小遣い談義になった時に、「『愛犬の友』を買ってくれ」って言って。月刊誌で『愛犬の友』ってご存知ないですか? 何かさ、いつもいろんな犬種のね、かわいいとか、素敵なワンワンが表紙にグラビアで登場する雑誌なんですけど。私ね、あの犬の情報、今考えると凄いマニアックなさ、どこどこのブリーダーがこういう犬を今扱っているとか、凄いスポットが絞られているものなんだけど、私それを買ってもらって凄い嬉しかったの。小学生だから、図鑑とか、犬の買い方の本というのは家にもあるし、自分でもお年玉とかで買ったりするわけ、こっそりね。それでいろんな情報を得るわけです。例えば柴犬だったら、柴犬の特色とか性質が書いてあるの、「柴犬というのは短気で神経質だからこういうふうに飼うのがお薦めです」みたいなことがさ。あと、犬の種類がいっぱい載っている図鑑とかから、その中でも1番素敵な写真をピックアップして、切り取ってノートに貼って、特色とかを自分でまとめてね、要約しちゃって書いたりしてね。それで凄い白昼夢が広がっちゃうの。何か「この犬を、こうやって飼う」とか言って、自分の家のことまで広がって、自分の家がこんなふうな配置でって、平面図とか描いてたもん小学生なのに。今考えるとね、ちゃんとしたね、不動産の広告が入ってくるじゃない? マンションの間取りとか、ああいう図なの。ちゃんと平面的な図もあれば外観とかも全部絵で描いて。で、例えば「カトリーヌはここにいるの」とかって、ゴールデンレトリバーを飼っているという夢が広がってって。名前とかも…、カトリーヌだったかどうかは覚えてないんですけど(笑)。ま、どうでもいいんだけど、そういうのをよく考えていたんですけど。だから犬の種類とかには詳しかったかもしれない。あと犬の病気とかね。フィラリアとかそういうの(笑)。凄く詳しかったと思う。どういう周期でワクチンを飲ませなきゃいけないかとか(笑)。でも、何の役にもたっていないんだもん今。全然そんな話にならないし、笑いのネタにもなんないっちゅうの、ほんとに。それだけマニアックだったということでしか笑えないっていうかね。今までいろんなことに夢中になってきたけど、そのことは今までの中でも異質なものでしたね。う〜ん、かなり夢中になりました。でも夢中になるということ自体は凄くいいことですね。今現在夢中になっているものは自分の仕事のことしかないんですけど。仕事を楽しんでやっているので、こういうラジオとかね、凄く充実していますけども。