「恍惚極秘演奏会」inタワーレコード渋谷 イベント・レポート

 日本中が悦楽の坩堝と化した、椎名林檎初の全国ツアー“先攻エクスタシー”から約2カ月。 そろそろ林檎ファン達の間に林檎禁断症状が出始めたであろう梅雨のある日、“恍惚極秘演奏会”なる秘密の集会が行われたという…。

 って、これ、アルバム『無罪モラトリアム』の発売を記念して本当は3月に行われる予定だったのが、林檎ちゃんの体調不良で延期になっていたライブイベントのこと。
 6月20日(日)タワーレコード渋谷で行われたイベントに参加できたのは、『ここでキスして。』を買ってくれた林檎ファン先着250名様。 今や人気ミュージシャンへの仲間入りを果たした林檎ちゃんのライブを間近で見れるチャンスなんて、も〜っ滅多にないこと。 タワーレコード渋谷地下にあるイベント・スペースは、“先攻エクスタシー”以来活動を休止していた林檎ちゃんの登場を待って、早くも暴動寸前!(大袈裟)。
 司会のお姉さんの挨拶の後、『ここでキスして。』と『無罪モラトリアム』の両方を買った方から抽選で300名様に当たるというスペシャルメイキングビデオ“性的ヒーリング〜特別御奉仕編〜”の上映会。 このビデオ、プロモーション・ビデオのメイキングや『無罪モラトリアム』のレコーディング風景等々、林檎ファン垂涎のコアでレアな約10分間。 しかも300名にしか当たらないなんて…。 しかもしかもコピーガード付きなんて…。 当たった林檎ファンは家宝として代々受け継いで下さいよ!
 ビデオ上映が終わり場内が暗くなって、いよいよ林檎ちゃんが、ギターの西川“スウィッチ”進とベースの亀田“マン・シンタン”誠治を引き連れて…。な、何と、ナプ○ンをばらまきながら颯爽と登場!
 「うい〜っす! 今日はバリバリ2日目ということで配らせていただきました! ハイライトは送ってもらえることになったんだけど、これで資生堂さんから送ってもらえるかな? 」
 と、思わず男性陣が赤面してしまいそうなMCの後、丸山圭子の名曲『どうぞこのまま』のカヴァーでライブはスタート。 この曲は昭和50年頃の懐かしのヒットソング。 水玉のスカーフをマチコ巻きにして、しっとりと歌い上げる林檎ちゃん。
 渋〜い選曲の後は、スカーフを取って肩まで伸びた髪をなびかせながら、広末涼子ちゃんに提供した『プライベイト』をセルフカヴァー。 “アイドル”広末涼子ちゃんの心の内をイメージしたという曲ですが、その詞は林檎ちゃんの今の心境を歌っているようで感慨無量…。
 続いて、林檎ちゃんの最近のお気に入りだという、来生たかおの『マイ・ラグジュアリー・ナイト』を思い入れたっぷりに熱唱。 「恋はゲームじゃなく♪」…う〜ん、これまた懐かしの名曲。
 「ジャケットがセクシーなんで、私も毎晩オカズにしています」
 またまた赤面MCの後、親友ともさかりえちゃんに提供した『カプチーノ』をグランジ風にセルカヴァー。 ハードなサウンドとは裏腹に、リズムに合わせてヒザを曲げるアイドルっぽい踊りがキュート過ぎます。
 続いての『丸ノ内サディスティック』では、歌いだしを間違えて「ごめんなさい! もう1回チャンスを下さい!」とやり直し。でも、さり気なくキーボードを弾きながら歌う林檎ちゃんの姿には、ミュージシャンとしてのスキルの高さを感じずにはいられません。
 サポート・ミュージシャン達が下がって、1人っきりになった林檎ちゃん。
 「この曲は“17歳になったよ”という曲です…」
 ラストの曲は、林檎ちゃんが17歳になった時に作ったという未発表曲『17(セブンティーン)』。 どこかフェアーグラウンド・アトラクションを思わせるような、全編英語詞による純朴でいてスケールの大きな楽曲。 『罪と罰』とならんでCD化が待たれる名曲だ。
 「どうもありがとうございました…」
 曲が終わるなり、あまりに素気ない言葉を残して、林檎ちゃんがステージを後にしてライブは終了。
 全部で6曲。 時間にして30分弱という短さでしたが、普段のライブでは決して観られないであろうカヴァー曲を中心にした選曲に、大興奮&大満足なライブ・イベントでした。

 なお、ライブの後のプレゼント・コーナーでは林檎ちゃん直筆Tシャツなどの超レアなグッズが抽選でプレゼント。 当たった人、家宝にしてよ!



〈TEXT:ツダケン/unga! 編集部〉