あまりに幅広い林檎ちゃんの音楽性のルーツを探るべく、林檎ちゃんの音楽遍歴を追跡する「椎名林檎の作り方」第2弾!

●幼少時代はクラシック少女、小学生時代には『風の谷のナウシカ』のサントラやナベサダ(渡辺貞夫)を聴いていたという林檎ちゃんは、どんな中学生になっていくんですか?
林檎:中学生はモータウン(注1)。ソウル・トレイン(注2)少女になっちゃうんですよね。フェイバリットはマーヴィン・ゲイ(注3)。

●また、突然ですね〜。それは誰かの影響で?
林檎:兄の影響ですね、憧れというか…。もう、日本人の音楽を急に全然聴かなくなるんですよ。それまでは日本人のも大好きだったんですけど、一気にかぶれちゃった感じですよね。

●でも、中学生でソウルとかR&Bなんかを聴いていると、クラスの子とかと話が合わなくなるでしょ?
林檎:合わないですよ〜、中学校にもあんまり行ってなかったし(笑)。ま、もともと音楽の趣味は合わなかったから、そのへんは大丈夫だったんですけど。

●友達のいない孤独な中学生時代を?
林檎:いや、そんなこともないんですけど、少なくとも音楽の話を学校でするってことは全く無かったですね。だって、ナベサダなんて誰も聴いてないでしょ? 小学生で五輪真弓(注4)とか(笑)。

●中学生ぐらいで中島みゆきとかならまだ分かるけど、小学生で五輪真弓は暗すぎる(笑)。
林檎:そんなんで、学校の友達と音楽の話が出来るわけないですよ(笑)。だから、家に帰って自分でベスト・テープとかを作って楽しんでました。

次回、高校生編に続く


注1)60年代初頭、アメリカ・デトロイトで生まれたレコード・レーベル。また、そのレーベルから出された作品の総称。ブルースやゴスペルをポップにしたサウンドで人気を集めた。
注2)アメリカの長寿ソウルTV番組。司会はお馴染みドン・コーネリアス。
注3)モータウンを代表する天才シンガーソングライター。80年代初頭にはリズムボックス等を大胆に導入したサウンドで、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックの新境地を開いた。
注4)『恋人よ』などのヒット曲をもつ女性シンガーソングライター。


〈TEXT:ツダケン/unga! 編集部〉