[スタッフ裏話VOL.1]椎名林檎プロダクツに欠かすことのできない、デビュー時からの制作担当ディレクターY氏が彼女のナレソメ、ミリョクを語る!

「彼女には、最初のシングル“幸福論”のPV撮影の時に“はじめまして”って挨拶をしたんです。会う以前から、彼女のデモは聴かせてもらっていたし、会ってからも色んな音源をもらったんですけど、あんなに何回も聴きたくなってしまうデモをもらった経験はなかったですね。しかも、既にデモの段階で人を惹き付けるものがいっぱい散りばめられていたので、普段は持ち帰らないデモを全部家に持ち帰って聴きまくってました。音楽性も非常に多彩で完成度の高いものでした。それゆえにどう伝えていくのが一番いい方法なのかってことを考えました。ただ、彼女の膨大なデモの中におぼろげながらアルバム2枚ぶんくらいのイメージが感じられたので、先にアルバムを形作ったうえで、その世界観をシングルでどういう順番でどう伝えていくかを話し合った記憶はあります。その時点でアルバムを相談できるのは非常に稀なケースだと思います。彼女の才能は全てにおいて唯一であるということなんじゃないでしょうか。歌にしろ、作品作りにしろ、パフォーマンスにしろ、全が秀でているっていうことに尽きますね。しかも、彼女はその引き出しがものすごく多いので、スタッフにしても、次の引き出しが見たくなるし、彼女も人の引き出しを開けるのが上手だったり、人を巻き込む求心力を持っている。そうした点を含めて、10年やれるだけの才能は間違いなくありましたし、それはこれから先も輝き続けるものだと思っています」(談)
 

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