え?え?これは一体?
恐らく、観た人のほとんどがそう思うのではないでしょうか。だって、最初に登場するのがセーラー服を着た「幸福論」のビデオクリップから抜け出した林檎女史で、しかも、その彼女の口の動きを見れば、確かに「りんごのうた」を歌っているんですから。しかし、驚くのはまだ早い。続いて、登場するのは頭に帽子を被り、キャミソール姿でギターを弾く「歌舞伎町の女王」時代の彼女で、さらには黒いジャケットを身にまとった「ここキス」時代の彼女が!しかも、どの林檎女史も「りんごのうた」を歌っているではないですか。

もしかして、「りんごのうた」はデビュー時に既に用意されてたの?それともコンピューター・グラフィックで合成?でも、曲は今年の5月に作られたそうだし、コンピューター・グラフィックも簡単には口の動きを変えられないはず。ということは……そ、そうなのです!この「りんごのうた」のビデオ・クリップは、過去のビデオで用いた衣装やかつら、メイクを忠実に再現した姿で「りんごのうた」を歌うというセルフ・リメイクによるビデオ・クリップなのです。

というわけで、ナース姿の「本能」や真っ赤なスーツで日本刀を振り回す「罪と罰」、果てはアニメ・クリップ「真夜中は純潔」の実写版まで、そのワン・パターン、ワン・パターンごとに衣装から何から取っ替え引っ替えして、撮影の末に衝撃のビデオ・クリップがここに出来上がりました。もちろん、演じているのが他でもない林檎女史本人なのですから、似ているのは当たり前ですが、観れば観るほどに過去と現在の時間軸が揺さぶられ、現実と虚構の境が曖昧になってしまうんですから……。しかし、問題のホクロは!?そして、ビデオ・クリップの結末はどうなってしまうんでしょう? 彼女の口からは、この映像については何ら語られていませんが、その答えは「りんごのうた」のDVDに収 録されている映像をとくとご覧あれ!