──そして、この『賣笑エクスタシー』はデビュー伍周年特別 御奉仕品と銘打たれていますけど、この発売日、2003年の5月27日のちょうど5年前ですよ。
林檎 「19歳ですね。この業界はね、普通にアルバイトをしてきて、普通 に就職した気持ちで音楽をやろうと思うと、驚きの連続で(笑)。どうしたらよいか分からないことも沢山あったりして、そういうことを少しずつ学んでいった感じですよね。CDを作って売る時に素材を作ればいいと思ってたので、デビュー直後はびっくりすることばっかりで、「歌舞伎町の女王」の頃には“もう辞めたい”って(笑)」
──(笑)そう言えば、このDVDには初期の弾き語り映像が入ってるんだよね。自分ではどんなことを思った?
林檎「いや、すっごい恥ずかしい。卒業アルバムを見るような……
  でも、映像が動いちゃってるから、 “しまった。この不細工な~”っていうレベルじゃ済まないんですよ(笑)」
──でも、ホントに嫌だったら、DVDには入れないだろうから、何か思うところがあるんじゃない?
林檎「や、面白いかなと思って(笑)」
──(笑)また、そうやって、自分を……
林檎 「いじめて、ね(笑)。そういう、ちょっとマゾヒスティックな意味もありつつ……でも、ホントに面 白いんですよ、ヤバくて!あの後、あんなことやこんなことを知ることになろうとは、みたいな(笑)。初々しいというか、ひたむきでしたよね」
──その甲斐あって「ここでキスして。」で世の中的に認知されたわけだけど、この頃の心境はどうだったの?