復活第1弾マキシシングル『本能』がヒット街道爆進中。学園祭ツアー「学舎エクスタシー」が各地で大盛況の内に終了。そしてアルバム『無罪モラトリアム』がついに100万枚突破と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの林檎ちゃん。
 そんな中、林檎ちゃんが2000年1月26日にニューマキシシングルを2枚同時リリースするというビッグ・ニュースが飛び込んできた。しかも、ライブやイベントでは何度か演奏されCD化が待ち望まれていた『ギブス』と、今春行われた全国ツアー「先攻エクスタシー」で披露されるやファンの間でシングル・リリース署名運動が巻き起こった『罪と罰』という、林檎ファン垂涎の超豪華な2タイトル!  1カ月後のリリースに先駆け、学園祭ツアー「学舎エクスタシー」を挟んで行われた『ギブス』『罪と罰』のビデオクリップ撮影をレポート!

 
只今、運転中!

車が真っ二つ! 『罪と罰』
 撮影スタジオに入いるなり、あまりにシュールな光景に目を疑った。く、車が半分になっている! 横から見ると見事に断面図になっていて、ご丁寧にも後部座席に置かれたギターまでもが真っ二つ。しかもそのカラシ色の車は、林檎ちゃんの愛車ベンツ280ではないか?
 その心意を聞き出そうと林檎ちゃんの姿を探すと、またまた目を疑った。メイクを終えてスタッフの前に現れた林檎ちゃんは、眉毛を剃り落とし、目のまわりを黒く塗ってマリリン・マンソンと化ししていたのだ! こ、怖い…。でも、カッコイイ~。
 「眉毛を剃ると色んな眉毛が書けて楽しいんですよ。幸薄そうって言われたけど(笑)」
 前作『本能』でのナース姿の悩殺ぶりにも度肝を抜かれたが、『罪と罰』の衣装も悩殺度満点だ。真っ赤な皮パンツに真っ赤な手袋、20cmはありそうな真っ赤なピンヒールと、ボンテージな匂いがムンムンと漂ってくる。さらに黒い上着には深いスリットが入っていて、横から見ると胸が、胸が…。これでは悩殺どころか即死である。
 颯爽と林檎ちゃんが車に乗り込みハンドルを握ると撮影スタート。フロントガラス越しの林檎ちゃんのアップからカメラはゆっくりと車の断面に回り込む。バチバチとエンジンやギターから火花が飛び散り疾走感たっぷりだ。
 それにしても、いくらビデオクリップの為とはいえ愛車を切断してしまうなんて何ともったいない!
 「交差点で止まって動かなくなったりしてたんで廃車にしょうと思っていたんですけど、どうせ廃車にするんだったらPVに使おうと。でも、実際に切ったのを見たら可愛そうになってきて、涙が出そうです…」
 変わり果てた愛車の姿に少々ブルー気味の林檎ちゃん。しかしその数時間後、日本刀を振り回す林檎ちゃんの姿があった…。
 尚、撮影に使用された車は現在倉庫に厳重に保管されていて、再び日の目を見る時を静かに待っているという。ライブや店頭などに登場することがあるかも?

テーマはお葬式?『ギブス』
 撮影スタジオの重たいドアを開けると、そこは荒野だった…。スタジオ一面に敷き詰められた土(園芸用富士山の火山灰)に赤黒い花が妖しく咲き乱れ、大きな十字架が傾きながら立つ。
 撮影は黒い衣装でバッチリと決めたバンドメンバーによる演奏からスタートした。が、次のシーンでは、ピンク色のクラシカルなワンピースを着た林檎ちゃんが歌う後ろで、バンドメンバーに喪服の女性が加わって葬列が始まった。
 「う~ん、だんだんお葬式ぽくなってきた! 」
 何やら厳粛なムードの中、十字架の前に花を置いていくバンドメンバーを見て無邪気にはしゃぐ林檎ちゃん。でも、これって一体ダレのお葬式?
 小さな十字架を奪い合うように林檎ちゃんが歌うシーンでは、激しく地面に倒れ込みながらの熱演。あまりに真に迫った林檎ちゃんの表情に、思わず見ているスタッフも息をのむ。
 そんな緊迫した雰囲気が、司祭に扮した女の子(超美少女! )の登場によって一気に和んだ。撮影の合間に女の子と遊ぶ林檎ちゃんの姿が微笑ましい。
 食事の時間を利用してのセット&衣装替え。荒野のセットから板張りの部屋の真ん中に水が流れているという、何とも意味深げなセットに移り、林檎ちゃんが黒いワンピースに着替えてラストシーンの撮影が始まった。そこに今回のビデオの真打ちともいえる、身の丈2mはありそうな牛の骨のマスクを被った謎の男(通称:牛夫くん)が登場! で、でかい!
 部屋の中で倒れていた林檎ちゃんが目覚めると、そこには先ほどの司祭の女の子と牛夫くんが流れる水を挟んで立っている。もしやここは死後の世界? じゃあ、このビデオは林檎ちゃんのお葬式?
 林檎ちゃんが静かに立ち上がり、撮影はクライマックスを迎えた…。

 

 あえて監督も別々にして、全く違う雰囲気のビデオクリップとなった『ギブス』と『罪と罰』。
 林檎ちゃん、今回のビデオの出来はいかがですか?
 「やっぱり2枚同時発売はやめません? 2ついっぺんに見せちゃうなんてもったいない! 」



〈TEXT:ツダケン/unga! 編集部〉