BIG BROTHER オフィシャルインタビュー
BIG BROTHER オフィシャルインタビュー

9月5日(水)、前作から約2年ぶりとなる5thアルバム『Mature』をリリースしたTEAM H。30代を迎えたチャン・グンソク、BIG BROTHERが初めて世に送り出すTEAM Hのアルバムにふさわしい、まさに〝成熟した″仕上がりとなっている。深みを増した詞世界や表現豊かな歌唱からは大人の男性ならではの魅力を感じるものの、彼らにとって成熟とは決して〝安定″や〝到達点″を意味しない。2人はあくまで今も〝進化の過程″にあり、その先の光を追い求め続けているようだ。
アルバムの曲を総括プロデュースしたBIG BROTHERに、作品に込めた想いや制作過程についてのメールインタビューを試みた。音楽的な意図やファンへのメッセージはもちろん、結成10周年を目前に控え、学生時代から共に歩んで来たグンソクへの信頼、2人の関係の成熟も感じ取れるような言葉の数々が返ってきた。 (取材・文/大前多恵)

Q:5作目となるオリジナル・アルバム『Mature』の制作はいつ頃から、どのような形でスタートしたのでしょうか?
BIG BROTHER:新しいアルバムを「つくらなきゃ、つくらなきゃ」と、僕らはいつも思っていました。グンソクと会う時の挨拶は「次のアルバムどうする?」でしたから。2018年の初めくらいにアルバムを制作することが確定して、すぐに構想に取り掛かりました。今年は僕らにとって意味のある年なので、今までのアルバム制作よりも更に話し合って、作品の方向性を決めていったんです。ふだんの活動の分野も性格も違う僕らですが、同じ悩みもいっぱいあって、同じ結論に到達する部分もあり、最終的な方向性が決まりました。そこから僕がトラックをつくり始めたんです。
Q:『Mature』を通して聴かせていただいて、前作『Monologue』とは全く違った印象を受けました。アグレシッヴなサウンドが特徴的だった前作に比べ、音の繊細な響きやメロディーの美しさも感じられ、大人っぽく、まさに〝Mature″=成熟した作品になっているように思います。アルバム全体のコンセプトを〝Mature″と決めた理由と経緯を教えていただけますか?
BIG BROTHER:やはり、グンソクも僕も30代になって初めて発表するTEAM Hのアルバムですからね。でも、〝Mature″というコンセプトを予め決めて、そこに合わせて具体的な意図を持って制作に取り掛かったというよりは、表現したい感情に忠実に曲をつくって、その曲を集めてみたら結果的に〝Mature″になった、という感じに近いです。今ぐらいの年齢の時期に男が感じる感情をなるべく素直に表したいという想いで、リラックスして、伝えたい感情を中心に音楽をつくっていったんです。
Q:サウンド同様、歌詞も奥深く、繊細で複雑な心情を描いていると感じました。前作と比較して、意識的に変えようと思われた点はあるのでしょうか? 作詞で大事にしたポイントをお聞かせください。
BIG BROTHER:なるべく美辞麗句を遣わないようには心掛けました。ごぐ普通の人たちが一般的な状況で遣う言葉を歌詞にしたかったんです。そのほうが感情をもっと素直に伝えられるんじゃないか?と思ったので。
Q:成熟した印象を受ける一方で、「未知の世界をまだまだ切り拓きたい」「不安をスリルに変え、進化し続けたい」という強い探求心も感じ取れます。TEAM Hにとっての〝Mature″とは、到達点ではなく進化の途中形態なのでしょうか? 
BIG BROTHER:そうですね、たしかにこのアルバムの曲は〝完成されている感情″の表現ではありません。 つまり、完全なる成熟とか、完璧さとか、そういった最終形態を追求しているわけではないんです。今まさに感じている感情を表現し、不安定な状態を集約的に表している単語が〝Mature″ではないかな?と。 言ってみれば〝成熟していくプロセス″というか…。この時期をどうにか乗り越えて、良い方向へと変化していけるのであれば、〝Mature″を〝進化中″とも表現できるんじゃないかな?
Q:どの曲に関しても、お2人の歌の表現がより一層豊かになっている、と感じます。テクニック的なことだけでなく、人間的成熟が反映されているのでは?と思いますが、ご本人たちとしてはいかがでしょうか?ヴォーカル・レコーディングの際に特に心掛けたことがあれば教えてください。
BIG BROTHER:レコーディングの時にずっと言い続けたのが “リラックスして”ということでした。 前作での TEAM Hのヴォーカルが 〝エネルギッシュ″だったとしたら、今回のアルバムのキーワードは〝感情の伝 達″。だから、人為的な発声や歌い方をするよりは、なるべくありのままを表現することに重点を置きました。
Q:「Falling Down」はTEAM Hのお二人の信頼関係を歌っているようにも聞こえます。結成から約10年の活動を共にして来られたチャン・グンソクさんは、BIG BROTHERさんにとってどんな存在ですか? また、その関係性はこの長い時間の中でどう変化して来ましたか?
BIG BROTHER:僕とグンソクは、お互い若い時から仕事をしていたので、同い年の友だちが少なかったんです。20代前半は大学というところで学生時代を共有しながら、学校でも外でも、どこにいても一緒に遊んでいる友だちでした。今となっては、一緒に過ごしてきた時間が長いからか、お互いに対する信頼もあるし、頼る部分もありますね。今回アルバムの制作をしながら初めて2人っきりでお酒を飲みながら、いろんな日常の話をしたんです。その時に感じたのは、グンソクは僕にとって家族のような存在だ、ということです。
Q:チャン・グンソクさんは今作において、ビジュアル・ディレクターとしてアルバムのアートワークやMVの演出、衣装のコンセプトなどを統括されたのだとか。BIG BROTHERさんはその面において、グンソクさんとどのような意見交換を交わされたのですか?
BIG BROTHER:グンソクは基本的に、すべてのことを僕に相談しましたね。とはいえ、僕らは既にアルバムの世界観を共有していたので、ビジュアル・ディレクターとしてグンソクが出したアイデアは、僕が望んでいたものと一緒だったりもして。なので、信じて任せることができましたね。それはお互いに言えることで、僕も曲が書き終わったら必ずグンソクに相談していましたし、グンソクも同じ感覚だったはずです。今回、作業をしながら彼のいろんな姿を見ることができましたが、グンソクは単に俳優であるだけに留まらない、すごく才能のあるヤツなんです。
Q:「Summer Time‐Japanese Version-」のミュージックビデオは、お2人がそれぞれに漢江(ハンガン)に架かる陸橋や地下道などを歩き続けていく、というユニークな内容。お2人がすれ違い、ただ一度だけ一緒に映る場面は、「正反対の性格の持ち主である2人が抱く“痛み”と“悲しみ”の表現方法は異なっても、それでも“共に生きていく2人”」を表わしているそうですね。撮影時の何か印象深い出来事があれば、お聞かせください。
BIG BROTHER:ロードムービーがコンセプトだったので、ありのままを心掛けて撮影しました。演技も必要なく、様々な場所でただひたすら歩きまくりました。2日間いろんな場所を回ったので大変でしたね。以前には MVでグンソクと一緒に踊ったり、2人でバイクにも乗ったり、DJingもしたりしましたが、今回は1人での撮影が多くて…寂しかったです。グンソクが書いた演出意図を撮影後に見て、「この場所にこんな意味があったんだ…」と初めて知る部分もありました。『Mature』の制作に関して彼がすごく悩んだのが、そこから伝わってきたんです。
Q:今作を通じて、ファンの皆さんにどんなメッセージを届けたいですか?
BIG BROTHER:ファンの皆さんに何かメッセージを届けるアルバム、というよりは、僕らの日記みたいなアルバムと思ってくれたら、と思います。僕らが今この時期に感じている感情をなるべく素直に音楽に込めたので、「あぁ…あの2人はこんな感情で、こんなことを考えてたんだ」というぐらいに思ってくれたらうれしいです。

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