なんでこんなに
僕の気持ちばっかり歌うんですか!!
ストーカーしてますよね?
(「別冊カドカワ 総力特集 菅田将暉」より)
- 菅田将暉さん
-
- 萩原聖人さん
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みんな気付くのが遅すぎる、彼らが起こそうとしている革命に…
- 中山美穂さん
-
底無しの想い出をキラリとしてくれちゃうよ
敬具 - ヤマサキセイヤさん
(キュウソネコカミ) -
「俺よ届け」
自分のバンドのスタイルを表明しているのかなって感じる曲。
いつでも待ってるぞ、帰ってこい、みたいな。
(初回限定盤DVD「バンドマンはしご酒」より) - 渋谷龍太さん
(SUPER BEAVER) -
「花火」
いままで忘れらんねえよを好きだった人にも、新しく入る人にも、忘れらんねえよを提示するうえでぴったりだと思いました
(初回限定盤DVD「バンドマンはしご酒」より) - タカハシマイさん
(Czecho No Republic) -
(ツレ伝ツアーで対バンしたときのライブが)自分が男に生まれ変わったらこんなライブがしたいなって思うライブだった
ライブをしているときの目がすごく良かった
(初回限定盤DVD「バンドマンはしご酒」より)
僕にできることはないかな
CD + DVD
UMCA-19054 / ¥3,300(税抜)
DVD収録内容
- ・「いいひとどまり」ミュージックビデオ&メイキング映像
- ・「スマートなんかなりたくない」ミュージックビデオ
- ・「バンドマンはしご酒」
- ※バンドマンはしご酒とは…柴田隆浩が尊敬しているヤマサキセイヤ(キュウソネコカミ)、渋谷龍太(SUPER BEAVER)、タカハシマイ(Czecho No Republic)に加え、ベースの梅津拓也とのメンバーサシ飲み映像!普段一人で飲む様子をつぶやくことの多い柴田との、熱い話からくだらない話まで、お酒を飲みながらだからこその貴重な会話がたっぷりと収録!!
僕にできることはないかな
CDのみ
UMCA-10053 / ¥2,600(税抜)
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01 - 花火
なんて悲しい歌なんでしょか、、、
曲調は明るく跳ねていて、暗さなんて全く感じさせないアンサンブル。
その真逆を行くような悲しさの歌詞、でも自分の夢を成功させようという前向きな気持ちもあり、その成功を花火に例える寂しさと美しさ。
一曲目から好きな曲出てきちゃった。
02 - 新・俺よ届け
詞も曲も、忘れらんねえよさんらしい曲に感じました。
ボーカル柴田さんの熱くてたまに可愛い歌声を堪能出来る曲。
03 - 喝采
何かを頑張ったけどダメだった人に送りたいバラード。
仕事や、部活の試合とかでダメだった時とかに聴いたら絶対泣くやつ。是非歌詞と共に。
04 - 氏ね氏ね氏ね
とてもキャッチー。一度聴いただけで多くの人の耳に残る、というか聴き流せない曲。
05 - 明日晴れるといいな
歌詞を読むと、三ヶ月後くらいにバンド辞めてそうな…それくらいの切羽詰まった感じの主人公。
ポジティブなワードは「明日晴れるといいな」の一文のみで、なかなかの絶望ソングだと感じました…違ってたらすみません…
06 - いいひとどまり
優しくて弱いけど相手の幸せを強く願っている歌。
PVと共に是非見てほしいです。この曲とPV大好きです。
07 - いいから早よ布団から出て働け俺
歌詞は愚痴っぽい内容なのにサビのカッコよさ&爽快感のギャップが半端ない(笑)
08 - 時間がないっす
忙しい朝にピッタリ。是非この曲が流れる目覚まし時計作ってほしい。
09 - おつかれダーリン
頼もしいラブソングだったのに途中から遺書みたいな内容になったり曲調も変わったりと、展開が読めなくて作家の精神状態が心配になる曲です。
10 - スマートなんかなりたくない
絵に描いたような情けない主人公で、AVに出てくる童貞みたいなスタンス、この後すぐにラッキースケベがあってほしい。
そしてまた曲はカッコいいんです。もう曲を有効活用しているのか無駄遣いしているのかよく分からなくなってきました。
11 - 東京
静かに始まって徐々にストリングスが重なっていき後半になるにつれて激しくなっていく。
気を抜いたら消えてしまいそうな都会の中で強くいなくてはと湧き上がる感情が表現されている曲。だと思う。
12 - 明日とかどうでもいい
青春ヤンキー映画とかにピッタリな曲ですね。若いエネルギーを感じる。
全ての悩める人にこの曲を聴いて明るく生きて行ってもらいたい。
※スタッフ注釈:まさに青春覚醒ロードムービー『ポンチョに夜の風はらませて』のタイアップが付きました!!ありがとうございます!
- 01 - 花火
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僕が歌をうたう理由。人生で一番大きなそのテーマを歌にしました。今なら、それに向き合って、ちゃんと表現できる気がしたから。
中学生の頃、花火大会に行かなかった。好きなあの子はクラスのイケてるやつらと花火大会に行くらしい。悔しくて、情けなくて、自分が大嫌いで。レンタルDVDを借りて、チャリンコで家に一直線に帰ろうと思った。その道の途中、後ろの空から花火の上がる大きな音が聞こえた。僕は、絶対振り向かない、って強く思った。そんな僕の原風景から、この歌の物語は始まります。 - 02 -新・俺よ届け
映画「何者」挿入歌 -
2016年に『俺よ届け』という曲を作りました。その曲を今回のアルバムに収録しようとなった時、主人公のその先の姿を描きたくなって。「絶対、俺変わったりしないから」って絶叫したあと、そこからどう心が動いて、どんな未来を見るようになったのか、言葉にしたくなって。この曲は、『俺よ届け』という物語の、後日譚を含めた完全版です。
いま僕は、浮かんだ感情や心の移ろいを、全て歌詞で拾い上げたい。そうやって本当の自分を、人間を知ろうとしてるんだと思う。 - 03 - 喝采
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歌詞を先に書きました。その時、僕はかなり落ちていて。どんなに頑張ったって駄目なものは駄目。頑張ったぶんご褒美をくれる神様なんていない。だってボクサーは必ずどちらかが負けるでしょ?どちらも死ぬほど頑張ったのに、全くサボってないのに、片方が敗者と宣告され、全てを奪われる。
そんなことを考えて立ち上がれないでいる自分をなんとか救い出したいなと思って、この歌を書きました。丁寧に自分の心をひも解いて、欲しい言葉を探して、紡ぎあげた歌です。かなり気に入ってる。 - 04 - 氏ね氏ね氏ね
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直感型、瞬発力型のパンクソング。逆に掘り下げることをせず、歌ってることが正義かどうかの熟考もせず、脳の表面に浮かんだ怒りを新鮮なまま言葉にしました。
これ、一発録りなんです。クリックも鳴らしてない。レコーディングスタジオで「せーの」でライブをやった。感情の、歌詞では拾えない部分をサウンドが補完して、曲に奥行きを持たせてくれたと思う。
ベースライン、鬼です。早くライブでやりたくて仕方ない。 - 05 - 明日晴れるといいな
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僕はまずアコギでデモを作ってみんなに送るんだけど、この歌送った後、酔っ払ったマネージャーから泣きながら電話がかかってきた(笑)。アルバム曲を書き始めて最初の方だったから、この方向で間違いないって自信が深まったのを覚えています。
この歌は、最後になんらかの結論を出すのをやめています。最初は書いてたけど、やめた。答えの出ない苦しみは間違いなくこの世界にあって、この歌では、それに耐え続ける人間の美しさを表現したくなったから。この歌に救いは無い。だけど、美しさがあります。 - 06 - いいひとどまり
アンファー企業CMソング -
人は、いつだって立ち上がりたい生き物だと思う。何度やっても駄目で、頑張ったのにまた駄目で、そうやって心が折れた後も、やっぱり光を求めてしまう。人間はどうしようもなく、切ない。そんな人の心に、歌を届けたいと思った。
根拠なく「頑張れ」とか「夢は叶う」とか言う歌は、少なくとも僕には全く届かない。んなこた分かってんだよ、頑張ってるけど駄目なんだよ、って叫びたくなる。こう思うの俺だけじゃないんじゃないかな。じゃあ、そういうふうに傷つき痛みきった心に、何ができる?この歌が、僕の出した答え。 - 07 - いいから早よ
布団から出て働け俺 -
この歌はまさにいまの僕のドキュメンタリーです。僕、朝起きて布団にくるまったままスマホでニュース眺めてあらゆることに「腹立つわ~」ってなりまくって、気付いたら2時間たってる、なんてことがよくあって。半端ない自己嫌悪に陥るんですよね。そんな自分を肯定しながらも叱咤激励するという、自分による自分のための自分応援ソングです(笑)。
ちなみに、Aメロが「俺いまこれに腹立ってるんだけどみんなどう思う?」的な俺からの悩み相談コーナーみたいになってて、まじここ聞いてほしい。分かってほしい。ほんとね、世の中ばかばっかだよ! - 08 - 時間がないっす
不動産投資会社「モダンプロジェ」CMソング -
『花火』や『喝采』が小説だとしたら、この歌は漫画のようなスピード感を持っているのかもしれない。
歌詞は全て実話です。僕の高校の頃の物語。好きな子がいて、その子を狙う弁護士の息子かつスポーツ万能のイケメンがいて(いろいろ揃いすぎだろ)、イマイチ似合ってない服を着た猫背の自分がいる。
あの頃はいまと同じようにいろんなことに悩んでたけど、いまより軽やかでバネがあった気がする。その躍動するイメージで、物語が展開していきます。 - 09 - おつかれダーリン
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こっちは実話じゃなくて、脳内であるストーリーが浮かんで。自分に自信のない男の子の主人公がいて、そいつが住んでる狭いワンルームマンションに女の子が転がり込んできて。その子はつかみどころのない子で、ふといなくなってしまいそうな予感をはらんだ、ワンピースの似合う美しい子で。何かトラブルを起こして、怖い大人たちに追われてる。そこから始まる一夜の物語。
後半からカオスに向かっていく展開は、プロデューサーのNARASAKIさんと音楽作れてほんと幸福だと思える、奇跡みたいな事態になってます。こんな着地点、誰も想像つかないよ。 - 10 - スマートなんかなりたくない
HONDA原付キャンペーンCMソング -
暴力的なまでの轟音の壁と、スピードと爆発力を持った言葉の連射で駆け抜ける、僕の大好きなタイプのパンクロック。このアルバムのもうひとつのパンクソング『氏ね氏ね氏ね』が「素手で敵をポカポカ殴るパンク」だとしたら、こっちは「マシンガンで撃ちまくるパンク」。快楽原則に従って、戦車に乗ってアクセル全開で心が向かう方角へ爆走、という歌。
音楽的にも快楽原則はこの曲の大きなテーマ。Aメロの繰り返し拒否、リイントロからCメロ、Dメロと流れていく展開もそれまでのテーマをガン無視、ついでにラストに大合唱付き、という、分析すると訳わかんない構成になってる。でも気持ち良かったんだもん、これが。 - 11 - 東京
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メロディが生まれた時に、頭の中にひとつのシーンがはっきりと浮かんだ。渋谷の大スクランブル交差点。そのど真ん中に、自分が立っている。そして周りの人間は、ものすごいスピードで自分の周りを行き交っている。顔なんて分からなくなるぐらいのスピードで、大量の人間が行き交っている。自分だけが違う時間軸で、立ちすくんでいる。あまりにも巨大な街に、ただ圧倒されている。
歌詞を書き終えた時、『東京』以外のタイトルは考えられなかった。このバンドでしか描けない『東京』が、とうとう書けた。 - 12 - 明日とかどうでもいい
映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」主題歌 -
やっぱり最後に希望と、これから何かが起きそうな予感でこのアルバムを終わらせたかった。なのに「明日とかどうでもいい/死ぬほどどうでもいい」っていう(笑)。
でも、これが僕らみたいなひねくれもんの希望の見つけ方なんだよな。明日はうまくいくとか、やまない雨はないとか、そういうのはもう信じられなくなっちゃったんだ。でも、それでも胸の中で燃え上がってる何かは、あるんだよ。俺は、それを信じる。それ以外、ほんとに信じれることなんてないから。
明日も未来も昨日も歴史も、全部どうでもいい。大切なのは、いま、ここ。
前作のフルアルバム『犬にしてくれ』をリリースしたあと、ピサの斜塔のように絶妙なバランスで成立していた3ピースから、ドラムの酒田耕慈が脱退。忘れらんねえよは柴田と梅津拓也(Ba)の2人組として再スタートを切った。それまでの歩みを総括するベストアルバム『忘れらんねえよのこれまでと、これから』、そしてミニアルバム『俺よ届け』とコンスタントにリリースを重ねながら、彼らの真骨頂といえるライブではサポートメンバーとしてドラムにマシータ(ex. BEAT CRUSADERS)、ギターに爆弾ジョニーのロマンチック☆安田とLEGO BIG MORLのタナカヒロキを迎えながら、新たな形を模索してきた(安田の爆弾ジョニーが活動休止から復活してからは、タナカがライブメンバーとして定着)。
心中察するに余りある困難な時期を、柴田と梅津はくぐり抜けてきた。今年4月には初の日比谷野音ワンマンも成功させ、その苦節の日々を思い涙したファンも多いだろう……と思いきや、この2年間、柴田の胸中は「わりと穏やか」だったという。「今バンドの空気はいいなあと思ってたし、出している音にも納得できていたし、お客さんにも刺さっているなあと。ライブでミスることもなくなったし」。サポートメンバーを従えてのライブへの手応えが、彼にそんな感情をもたらしていた。しかし、「でも一方で」と柴田は続ける。「焦りみたいなものも感じてた。同世代の他のバンドを観て、俺らより一段上に行ったなって感じたり。やっぱり勢いのあるバンドはいい曲を連発しているんですよ」。
ライブに対しては自信を深める一方で、柴田の中では「いい曲書かなきゃ」という焦燥がむくむくと膨張し始めていたのだ。「やっぱりライブって作曲とは別なんですよね。なんかそこだけだともっと強靭なバンドにはなれねえなあって。曲がそこに連れて行ってくれるから、一番は曲だっていう気がしたんですよ。もっと……広く大きく共感されるようないい曲を、まだ書けていないと思った」。では、柴田のいう「いい曲」とはどんな曲なのか? そんな質問を投げると、柴田からはこんな答えが返ってきた。「感情移入がしやすいというか、感情移入できる歌、ですよね。歌詞を書いている人間の気持ちが手に取るように分かる歌。たとえば“バンドやろうぜ”はバンドをやっている人にしか分からない部分がどうしてもある。それを突き抜けて普遍性を帯びるのがロックンロールのおもしろいところですけど、今はそういう気分じゃなくて。世の中に暮らしてる人が理解できるテーマ、その人たちも持っているテーマを書きたいなって思った。そこって手付かずだったよなあと」。
これまでの「瞬発力」「爆発力」だけで書いたロックンロールではなく、考えを詰め、じっくり掘り下げて見つけた言葉、その掘り下げた過程を歌詞にする。そういうことがしたいと柴田は感じていた。そうしてできたのが、このアルバムにも収録されているシングル曲“いいひとどまり”だったという。
「そういう思考に向かったきっかけは梅津くんなんですよ。レコーディングの帰りに一緒にタクシーに乗って帰ってて、『次どういうアルバムにしたらいいのかな』って話をしていて。そしたら梅津くんが『今までの直感的なパンクロックソングも俺は好きだけど、もしかしたらもっと普遍的なポップソングにトライしてもいいんじゃない? できる気がするよ』って。それで俺もそんな気になって、『できるかも!』と思って“いいひとどまり”を作ったんですよね」
ひとりの男の中にある弱さと優しさを軽やかに解き放つ“いいひとどまり”のメロディと歌詞には、確かにこれまでの忘れらんねえよとは違う普遍性が宿っている。柴田の中にある根っこの感情はおそらく変わっていない。過去の曲と較べればきっと共通点を見出すことができるだろうが、それを丁寧にひもとき、練り上げ、濾過した先に、そんな曲が待っていたのである。
イントロからストリングスが華やかに鳴り響く“花火”(このイントロの旋律は柴田自身が付けたものだという)、そのストリングスが全面にフィーチャーされた染み入るような名バラード“喝采”、ストレートなメッセージが心を震わせる“東京”……本作『僕にできることはないかな』には、これまでの忘れらんねえよにはありえなかったタイプの名曲がごろごろと転がっている。もちろん「言いたいことはそれだけだ」と曲全体が訴えている“氏ね氏ね氏ね”や“時間がないっす”のような「安心の忘れらんねえよ印」の楽曲もあるが、それをぶっちぎって、今回の忘れらんねえよは新たな姿をさらけ出している。まるでこれまで「忘れらんねえよ」という枠組みの外で眠っていたものが解放されたかのように、どの曲も瑞々しく鳴っている。
「ここから、忘れらんねえよの新しいバンド像を作りたいなと思ったんですよね。弱者が歌う普遍的なポップソングみたいな。それって俺が一番好きな表現だよなって。やっぱりクラスの隅っこにいるんですよね、忘れらんねえよって。一軍がわーって盛り上がっている横で『つまんねえよ』って思ってる。でもそいつの脳みその中にはもしかしたら世界を変えるくらいのグッドメロディがあって――」
それは奇しくも、柴田自身の原風景であり、彼がずっと描こうとしてきたものだ。そのもっとも「美しい」結論。『僕にできることはないかな』とは、そういうアルバムなのかもしれない。「今までと主語は変わらない。でもそれを掘り下げているというか。“喝采”なんてまさにそうで、なんで自分は前向きな言葉をかけられると腹が立つのかなって考えて考えて書いた。そうすれば聴いてくれた人から信頼してもらえるんじゃないかって思えたんですよ」。喝采を送られて何度も幻滅してきた男が、それでも誰かに対して喝采を送ることを決断する歌。そこには忘れらんねえよが抱えてきた挫折も、失望も、葛藤も、そして喜びも、すべてが注がれているのだ。
柴田はこのアルバムを「重い石で丁寧に作られた彫刻」にたとえてみせた。「繊細で、でも太いものを持っている。そういう彫刻みたいな曲ができた。デトックスにもなるんですよね。曲を書いたあと、すごくすっきりする。全部取れたなって」。今にして思えば、『犬にしてくれ』で忘れらんねえよは一度「終わった」のだ。そしてここから新しい形で進んでいく彼らの出した最初の「答え」が『僕にできることはないかな』なのだ。タイトルからして、そこには一切の虚勢や捻くれはない。これまで生きてきた自分、今生きている自分を決して否定することなく、そんな自分にできることを探している。「俺は普通の人間だと思うんですよね。みんなと同じように何かに傷ついたりしている。だったらそこを徹底的に、きめ細やかに表現するのが俺にやれることなんだと思う」。そこに誇りを持てている、と柴田は言う。「そういう俺でも、ロックンロールとして美しいものを作れると思ってる。その思いが今まででいちばん大きい」。
リードがこんがらがった2匹の柴犬が、まっすぐこちらを見つめているジャケット写真。まるで柴田の自画像のようなその写真が彩る『僕にできることはないかな』は、忘れらんねえよが、柴田隆浩というミュージシャンが何者であるのかを、これまでになく正直に、そして正確に物語っている。
小川智宏
忘れらんねえよ
柴田隆浩(ボーカル&ギター) / 梅津拓也(ベース)
2008年結成。パンクロック由来の轟音の中で歌われる甘いメロディと、不器用を絵に描いたような言葉が武器。2017年4月2日に日比谷野音でのワンマンライブをソールドアウトにて大盛況に終了させたばかり。
夢を、自分を、あの人を諦めきれないあなたに贈りたい。
どんなにつらくてヘコまされても、
それでも自分にできることはないかなって、
切なく前を向こうとするあなたに贈りたい。
「いいひとどまり」「スマートなんかなりたくない」に、
それぞれが大切なテーマを持つ
録りおろし10曲を加えた、特製の12曲。
この2年ぶりのフルアルバムで、
何かが大きく変わる予感がしています。
こんなにも聴いてほしい気持ちでいっぱいになるなんて、
自分でもびっくりだよ。
忘れらんねえよ 柴田隆浩