アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』はこの一文で終わる。黄金に輝く夕暮れのアフリカの砂浜で子猫のように戯れるライオンたちを、老漁師のサンチャゴは繰り返し夢に見る。不漁が続く日々も、沖合でカジキマグロと三日三晩にわたってたった一人で格闘する最中も、そして船にくくりつけた巨大な釣果がサメの群れに襲われ無残な残骸に成り果てた失意の帰還の夜も。「打ち砕かれることはあっても、負けることはないんだ」。苦闘の末に手にしたものが失われていく最悪の状況を前に、老漁師はこう呟く。 Text:柴那典/音楽ジャーナリスト
ヨルシカ「老人と海」は、二十世紀半ばにアメリカの小説家がキューバの小さな漁村を舞台に描いた代表作にオマージュを捧げた一曲だ。
楽曲は穏やかなトーンで始まる。曲中に登場する二人は、木漏れ日の中、潮風を感じながら海への道を歩く。ミドルテンポで優しく刻むギターが夏の匂いを感じさせる。曲のポイントは3分過ぎ。suisが「あぁ」と吐息混じりのハイトーンで歌ったあと、一瞬、曲が止まる。波音が響く。海に辿り着いた。そう感じさせる音響描写を経て、なお、suisは高らかにこう歌う。「まだ遠くへ まだ遠くへ 僕らは心だけになって」。「僕の想像力という重力の向こうへ」。
夢想の情景は、苛烈な現実を生きる人にとっての支えになる。ヘミングウェイが描いた老漁師の不屈の姿からは、そういったことも読み取れる。そして、ヨルシカの「老人と海」という曲は、そうやってどこか遠くのもの、時間も空間も超えて手の届かないものへと思いを馳せる心の動きそのものに敬意を込めた一曲のように思える。
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