夏祭りの一日。たった一瞬のきらめきのような、記憶の中の光景。それが鮮烈に生き続ける。刹那が永遠になる。「ヨルシカ LIVE『盗作』」から、そういう祈りのようなものを感じる。
2025年に行われたライブツアー〈ヨルシカ LIVE TOUR 2025「盗作 再演」〉の模様を収録したこの映像作品。筆者はKアリーナ横浜での公演を観た。その時にも大きな感動があったのだが、映像作品としての「ヨルシカ LIVE『盗作』」を観て得たものは、単なる追体験とは少し違った。夢と現実が混じり合うかのような、不思議な感覚が去来するものだった。
ライブは朗読パートと楽曲演奏を織り交ぜた構成で進む。n-bunaによる朗読では、アルバム『盗作』の主人公・音楽泥棒の男が夢に見た幼少期の情景が、ノスタルジックな映像と共に語られる。後に彼の妻になる少女と夏祭りに行った日の思い出だ。
柴那典/音楽ジャーナリスト


















