松任谷由実「宇宙図書館」

Sillage〜シアージュ

解説 by ユーミン

夏の終わりに、ふと心変わりを感じることはあるけれど、この歌の舞台は盛夏なんです。夏の太陽に隅々まで照らされた、青と白だけの世界で、渚でふたり手をつないで大の字になっていたら、空が海の底みたいに見えた。自分たちが空のように思えた。Sillageとは残り香のこと。白い線を引き連れて海の底を飛んでいく飛行機。真夏なのに、心の奥の夏の終わりに気づいてしまった。見逃すこともできたかもしれないのに。

歌詞

Sillage〜シアージュ

作詞 : 松任谷由実 作曲 : 松任谷由実

夏の 微笑み
なぜ すぐにまた 会えるのに
何かが変わってしまったのね

時の 残り香
まだ 陽は高く耀いて
傾く気配もないままに

風に舞うバンダナを追いかけて

海の底のような空
吸い込まれる私たち
滲んでゆく文字のように
何も言わないで 手をつないでいて

秋の ささやき(shadow of your smile)
見落とすことも出来たのに
心が気づいてしまったから

すれ違うジェット機のロザリオ

深い意味はなかったの
過去みたいにきこえたら
ふと言葉に乗せたとき
みんなつかめない 雲のように溶け

海の底のような空
吸い込まれる私たち
滲んでゆく文字のように
何も言わないで 手をつないでいて

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