私の心の中の地図
作詞 : 松任谷由実 作曲 : 松任谷由実
私の地図には いつでも 潤んで光る街があるの
あなたと暮らした あの頃のまま みじかい通りだけど
もう名前は変わって 幸せそうな人影 映る窓に
日々は流れ 誰もが大人になる
愛してると云いたくて 今も心は立ち止まる
雨の中の涙が 空にかえる霧のように ひと知れず
私の地図から どうか消えてと 願ったときもあった
ふとしたはずみに ペンが憶えてる住所 哀しすぎて
思い出に目を閉じて 駅からの道に 季節の花が咲く
夢が叶い 誰もいなくなっても
愛してると云いたくて 今も心はふりかえる
喜びも、苦しみも、みんなあなたに出会えて良かった
愛してると云いたくて 今も心は立ち止まる
雨の中の涙が 空にかえる霧のように ひと知れず
愛してると云いたくて 今も心はふりかえる
喜びも、苦しみも、みんなあなたに出会えて良かったから
この歌、男女のラヴソングでもあるけれど、じつは家族の肖像がパラレルワールドのように存在している歌なのです。家族が家族でいられる時間って、思ったよりずっと短くて、その中にいる時は、大切さにちっとも気づかないもの。
けれど家族の季節が遠く過ぎ去ってから、ふと自分の心の中に、一か所ピンがささっている地図があることに気づく。そのピンが邪魔くさくて仕方ない時もあるけど、抜きたくても抜けないのよね、家族だから。やがて、このピンのおかげで生きてゆける自分に気づくのです。