2014年に自主盤としてリリースされたファーストミニアルバム『Introduction』に収録された楽曲を、今回改めて再録。当時はまだ髙野加入前、藤澤と山中も担当楽器を本格的に始めてさほど時間が経っていない、バンドとしては産声を上げたばかりの時期。再録するにあたって聴き直したという原曲は「荒削りながらも初期衝動に満ちていた」とメンバーが語っていたけれど、緊迫感に満ちた鋭角的な衝動の発露が、5年という歳月の中で確かな表現力を獲得した今の5人の演奏によって、新たな爆発力を生んでいる。
『Introduction』は「形あるものはいつか必ずなくなる」という無常観をコンセプトにして作られた作品で、それは今に至るまでミセスの、そして大森元貴の価値観の根底に強くある感覚だが、この曲で彼はこう歌う。
<失くしたくないから/僕はずっとこうやってるの>、<自らのその手で人達が/荒れ狂う波に舵をとって/生まれた意味となる>
生まれては死んでいく、俯瞰してしまえばただそれだけの人生の中で、大事なものはいつだっていつの間にか失われてしまう日々の中で、それでも必死に抗い、願い求めずにはいられない大切な何か。それを掴み取るための、始まりの歌。