『ENSEMBLE』のツアーファイナル・幕張メッセ国際展示場での2デイズを終えた翌日に書いたという曲。ショウアップされたステージで1万人を前にライヴを繰り広げた直後とは思えない、どうしようもない寂寥が滲む楽曲だ。思わずぽたりと心から零れ落ちた言葉がそのまま歌になったような、そんな歌い出しから始まるこの曲に記された大森の心情が、アルバム『Attitude』の骨格形成に大きく関わっていったのは間違いないだろう。
僕と君は同じ生き物のはずなのに、すべてを分かり合い、分かち合うことはできないということ。決して消えることのない孤独と寂しさ。夢に手を伸ばし懸命に生きる日々と挫けそうな瞬間、それでも諦めずに踠き唄う今。——<僕らは知っている/奇跡は死んでいる/努力も孤独も/報われないことがある/だけどね/それでもね>と歌うこの曲は、「寝る前にふいに寂しくなったり、やるせなくなったり。僕の表現はそういうものがオーバーヒートしてるだけだと思う」、「僕が作る音楽は、昔も今も、僕のSOSなんでしょうね」と語る大森の心の奥底が表れている。けれど同時に、この曲で彼は<ああ なんて素敵な日だ>と歌い、<僕は僕として、いまを生きてゆく/とても愛しい事だ>と歌う。そう思える今があることが、ミセスがその軌跡の中で見出した何より愛おしい真実だ。