[スタッフ裏話VOL.2]〜映像監督ウスイヒロシ氏インタビュー〜

──林檎さんとの初仕事は、ウスイさんが監督を務められたデビュー・シングル「幸福論」のビデオ・クリップなんですよね?

「はい。その打ち合わせで初めてお会いしたんですけど、彼女には最初からアイディアが沢山あって、ノートを破ったいたずら書きに3つのシーンがあったんですけど、パンク・ロッカーがスーパーで買い物をしてる絵とか、そういうイメージ画を見せてもらいつつ、その時の打ち合わせはスピードが速くて感覚的なものだったので、家に持って帰ってみないと整合性がはっきりしないなと思って、そのアイディアを家で並べ替えて、日常の中にあるシュールな瞬間へと翻訳したんです。僕が手掛けた初期の作品では、しっかりした楽曲がばしっとある分、彼女にとっての映像はアイディアを楽しむ場所、遊び心とかお茶目心が爆発する感じがあって、それをどう楽しむかということを考えましたね」

──そして、ウスイさんは『下剋上エクスタシー』、『発育ステータス 御起立ジャポン』というライヴ映像作品も監督されていますね。

「そうですね。今回の『座禅エクスタシー』も含めて、全部同じ年、 2000年の出来事だったじゃないですか。だから、楽屋の様子だったり、ライヴ後の打ち上げ、『発育ステータス』はスタジオでの曲作りも含め、その全てをカメラに収めようってことだけでしたね。今回の『座禅〜』を編集するにあたって、見直してみたら、あの時にしかないものが詰まっていて、この人たちはホントに音楽が好きなんだなって改めて思いましたね」
 
次へ
 

--トップへ--