ヨルシカLIVE Blu-ray & DVD 2022.6.29 Release
今年3月に開催したヨルシカLIVE TOUR 2022「月光」再演を収録したBlu-ray&DVD。「月光」は2019年にリリースしたアルバム「だから僕は音楽を辞めた」「エルマ」を題材にしたコンセプトライブ。2019年の初演から舞台演出、パフォーマンスなど全てがスケールアップ、唯一無二の世界観を体感できる作品。Blu-ray/DVD初回限定盤は、デジパックと歌詞ブックレット、そして「青年の足跡を辿る地図」が三方背ケースに収納された特殊仕様。
-
初回限定盤BD/DVD
- Blu-ray
- ¥6,820(本体¥6,200)/ UPXH-9031
- DVD
- ¥5,720(本体¥5,200)/ UPBH-9570
-
通常盤BD/DVD
※トールケース- Blu-ray
- ¥5,280(本体¥4,800)/ UPXH-1079
- DVD
- ¥4,180(本体¥3,800)/ UPBH-1504
収録曲
- ・Poetry - 海底にて-
- ・夕凪、某、花惑い
- ・八月、某、月明かり
- ・Poetry - 関町にて-
- ・藍二乗
- ・神様のダンス
- ・夜紛い
- ・Poetry - 雨の街について-
- ・雨とカプチーノ
- ・六月は雨上がりの街を書く
- ・雨晴るる
- ・Poetry - ヴィスビーにて-
収録:約80分
※各リスニングリンクはオリジナル音源になります
購入者先着特典
以下のCDショップでは『ヨルシカ LIVE「月光」』をご購入の方に先着で特典をお渡しいたします。
特典は先着となり数に限りがございますのでお早目のご予約をお勧めいたします。
- タワーレコード:缶バッチ(絵柄A)
- HMV:缶バッチ(絵柄B)
- アニメイト・ヴィレッジヴァンガード:しおり(絵柄共通)
- Amazon.co.jp:A4クリアファイル(絵柄A)
- 楽天ブックス:A4クリアファイル(絵柄B)
- TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く):ステッカー
- UNIVERSAL MUSIC STORE:B2ポスター
- 応援店:ポストカード(応援店一覧はコチラ)
2作のアルバム『だから僕は音楽を辞めた』『エルマ』が織重なり、結びつき、発展することで生まれる奥深いストーリー。そして、映像、言葉、音を有機的に絡み合うシアトリカルなステージ。映像作品「ヨルシカ LIVE TOUR 2022「月光」再演は多角的な魅力を備えた作品だ。エイミーとエルマの物語を中心に置きながら、二人にとって音楽とは何か? そして、生きるとはどういうことなのか? といった根源的なテーマが通奏低音のように流れる「月光」は、観る者に対しても、それぞれの人生を見つめ直し、ときには生き直すきっかけになり得る。その瞬間、この作品は“あなた”のものになり、新たな息吹を得ることになるだろう。
映像作品としての「月光」はこの先、無数の解釈が与えられ、様々な角度から語られるはず。ここでは、筆者が強く感じた“バンドとしてのヨルシカの魅力”について記してみたい。
森朋之
作曲家としてのn-bunaの音楽的なルーツの中心は、00年代以降の邦楽ロックだ。彼自身も公言している通り、10代の頃はクリープハイプ、凛として時雨、BUMP OF CHICKEN、People In The Boxなどに傾倒。その後、様々な音楽を取り入れながら、現在のヨルシカの音楽を形成してきた。メンバーはn-buna、suisの二人だが、音楽性やサウンドメイクに関しては、実質的に“バンド”と捉えていいだろう。
本作でも、生のバンドサウンドをたっぷりと体感できる。ライブの序盤で印象的なのは、「夕凪、某、花惑い」「八月、某、月明かり」など、00年代ギターロック直系の音像。昨今は“飛ばされ”がちなギターソロも炸裂し、「俺たちはこれが好きなんだ」と言わんばかりの“ロック魂”に思わずグッと来てしまう。
バンドメンバーは、下鶴光康(G)、キタニタツヤ(Ba)、Masack(Dr)、平林畑徹也(Key/Pf)。ミュージシャンを固定することで、ライブを重ねるたびに精度とダイナミズムを高めてきたわけだが、この映像に収められた演奏は最初の集大成と言えるだろう。平x林畑の軽快なピアノのリフ、豪快なソロ演奏(最後は左のひじで鍵盤をガーン!と打ち鳴らす)が堪能できる「神様のダンス」。下鶴のギターフレーズが空間を切り裂き、<人生とはマシンガン>という強烈なサビへと導く「夜紛い」。そして、キタニとMasackのファンクネスをたたえたグルーヴが気持ちいい「雨とカプチーノ」など、個々のプレイヤビリティを存分に活かしたアンサンブルも本作の見どころの一つだ。
suis、n-bunaのステージ上のやり取りも心に残った。もっとも端的に表れているのは、「踊ろうぜ」。開放感に溢れたサウンドで身体を揺らすsuisが<自慢のギターを見せびらかしたあの日の自分を潰してやりたいよ>と歌いながら、n-bunaのほうに視線を向け、それに応えるようにn-bunaがエッジ—なギターを鳴らす。ボーカリストとギタリストが互いに刺激を与え合いながら、その場所、その時間にしかないシーンを生み出すーーそれは言うまでもなく、ライブの醍醐味に他ならない。
ライブ終盤の「だから僕は音楽を辞めた」におけるsuisの歌声も特筆に値する。<間違ってるんだよ わかってるんだ/あんたら人間も>というラインで声に乗せた感情の濃度が増し、“エモい”としか言いようがないボーカルを響かせる場面はまちがいなく、本作のクライマックスだ。基本的には“n-bunaが紡ぎ出す物語を演じるように歌う”というスタンスを貫いているsuisだが、ステージでは当然、本人の思いが滲んでくる。深遠で緻密なストーリー構成とメンバー自身の感情が強く結びつくことで、想像を超えた化学反応が立ち上がるーーそれはまさにライブでしか味わえない醍醐味だ。