
小出:今週もB組にはゲストがいらっしゃっています。そろそろ来る頃ですかね??
(ガラガラ・・・)
ヒャダイン:SCHOOL OF LOCK!の生徒のみなさん、こんばんは!ヒャダインです!
小出:ようこそベボベLOCKS!へ!! よろしくお願いします!
小出:僕とヒャダインさんの出会いは、インターネット上ですよね。
ヒャダイン:まずTwitter上ですよね。
小出:僕が「『カカカタ☆カタオモイ』やべえ~」とかツイートしてたところに絡んできて・・・
ヒャダイン:「ありがとうございます!!」って言ってね。
小出:それが初めてで、その後僕の雑誌B.L.Tのアイドルの楽曲についての連載にゲストで来ていただいたのがリアルでのオフ会で(笑)
ヒャダイン:まさにあれはオフ会でした。あの時から初めて会った気がしなくて、盛り上がったね~
小出:一応取材時間2時間くらいとってたんですけど、2時間半くらいしゃべって・・・
ヒャダイン:それでも時間が足りないみたいな感じで終わりましたね。

小出:僕は、ヒャダインっていう名前を知っていて、ゲームの効果音使って曲作ったり、ゲーム音楽に歌詞つけたりとか、すごい面白いなと思ったし、曲もすごく良くできてると思ってて。で、元モーニング娘の久住小春さんがアニメのキャラクター名義でソロデビューした時に曲がすごくぶっ飛んでるなと思ったし、面白い曲だなと思ったのが、前山田健一のクレジットを初めて見た時で・・・
ヒャダイン:さすがこいちゃん、ディープなところから!
小出:(ヒャダインと前山田健一が同一人物だと)カミングアウトされた時に「えー??!そうなの? ?」って。でもそれを言われたら動画のあの音と、(ヒャダインさんが手がけた)ももいろクローバーの「行くぜっ!怪盗少女」のあの音と一致して、なるほどな!そういうことか!って思いました。
ヒャダイン:ありがとうございます。
小出:僕はあれでびっくりした人だし、ヒャダイン=前山田健一っていう人の引き出しの多さというか、ホントにいろんなもの詰まってる人だなと思ってました。
ヒャダイン:「思ってました」って過去形か! 枯れてないよ!まだ(笑)
小出:ネガティブすぎるでしょ、それ(笑)
ヒャダイン:泉どんどん湧いてますよ!
小出:湧いてますよ!ホントに。知ってますよ!
いや、それがきっかけで、ヒャダイン=前山田健一ってすごい人だなと自分の中で決定付けた出来事だったんです。だから最近仲良くさせてもらってありがたいです。ありがとうございます。
ヒャダイン:一緒に曲作ったときも楽しかったですよね。ラリー形式で。
まずスタジオに一回こもって、あーでもない、こーでもないって言って。
小出:どうでした?あの作業。
ヒャダイン:俺ね、人と曲作るのがホントに初めてぐらいで、すごい新鮮だった。
こうやってバンドとかは曲作るんだって思って。
小出:今回は極端な例でしたけどね。職業作家さんとバンドマンって全然違うし、職業作家さんからしたら、バンドの曲の作り方って全然異次元だと思うし・・・
ヒャダイン:そう! 異次元だった!
小出:あと僕からしたらバンドマンって自分の心の中に深く深くもぐっていくような曲の作り方だけど、作家さんってもっとこう割り切って1個1個パッケージしていく、みたいな作業だと思っていて。まずはその、お互いの普段やっている環境の違いもあって、最初音が出るまでちょっと時間かかりましたよね?
ヒャダイン:そう!何から始めればいいのかわからなくて・・・。ひたすらハロプロについてしゃべっていたような気がする。
小出:そうですね、最初の2時間くらいはハロプロの話しかしてなかったですね。
それでベース進行から入ったんでしたっけ?
ヒャダイン:コード進行どうしようか、ということになって。サビで「や、や、やめてくれ」だけが思いついたんだよね。で、「塾のCMでかかるような曲にしたい」って言ったんだよ。
小出:最初はそうでしたよね。
ヒャダイン:で、青春な感じにしようと。
小出:コード進行とかで、ヒャダインさんのアイドルメソッドとかがあって、ももクロっぽいとか・・・
ヒャダイン:これはバンドっぽい、とか。あとは無理に転調するのは俺っぽい、みたいな。で、途中から変な転調が入って戻すのに苦労したよね(笑)。行き過ぎて、「どうやって戻そう??帰ってこないよ~」って。

ヒャダイン:「こいちゃん、すごいな」って思ったのが、結構真剣に曲作るなって思って。
小出:そう。バンドマンだから。
ヒャダイン:それだと俺が真剣に作ってないみたいだけど(笑)、ここまでデリケートに曲を作るんだって思って。
小出:丁寧だとは思う。
ヒャダイン:そう! 丁寧っぷりが発揮されたのが、ピアノ弾くのに正座で弾いてたもんね。
小出:弾いてた、弾いてた(笑)
ヒャダイン:ピアノの椅子があって、その上に正座して弾いてた。衝撃だった、あれは。
小出:(笑)
ヒャダイン:写メったもん。Twitterしちゃった。

小出:いや、(ヒャダインさんの)あの転調のし方って鍵盤っぽいなと。ギターの思考回路だとあの転調って到達しにくい。
ヒャダイン:逆にギターの出来上がり聴いて、「バンドになったらこういう風にスムーズになるんだ」ってすごく感じた。スタイリッシュだった。
小出:そうでしょ、意外と。
この「ぼくらのfrai awei」は、パッと聴きはストレートなビートでストレートな曲調に聴こえるけど、コード進行で見ると実はすごい複雑な転調を繰り返してたりして。それを悟られないような、淡々としたドラムで。
ヒャダイン:あの音色好きだ!あれ何?
小出:2拍目、4拍目の強調で、さらに4拍目を強調するっていうのが80’sっぽいですよね。
ヒャダイン:そう、あの80’s感がたまんなかった。すごく良かった。

ヒャダイン:音の埋め方が自分とは全然発想が違って面白いって思った。あと「いい曲~」って思って(笑)。でも歌詞の内容は残念ですけどね。
小出:歌詞が残念ですね~。僕、表題曲の「初恋」は歌詞書き直させてもらってるんですよ。それだけこだわった1曲目に対しての、この「ぼくらのfrai awei」のフランクさ(笑)
フランクというか残念だよね。
ヒャダイン:そう。まず「fly away」のスペルが書けない、っていうね。
小出:間違えてるんじゃなくて、書けないっていうコンセプト。

ヒャダイン:そういう青臭い、14~5歳の残念な感じを表現したんですな。
小出:でも、この曲で歌っているのは、僕らみたいな青春時代を過ごしてると、
その当時はいやだったし、止むを得んって思ってたけど、そこから何とか抜け出そうとしないと10年後に僕らみたいになっちゃうよと。
ヒャダイン:そう。ヒャダイン先生は生徒に言いたい。手遅れになるからね。間に合わないよ!
小出:そう、間に合わない。僕らもね、青春のゾンビみたいなもんですから・・・
ヒャダイン:本当にゾンビ。いい言葉言うね~。青春のゾンビだねえ。ホントそう。
小出:生ける屍。
ヒャダイン:ホイミとかかけたら、逆にダメージ与えられる。
小出:だから手遅れになる前に脱出していかないと、僕らみたいになっちゃうから。
ヒャダイン:そう、不毛なトラウマのパテ塗りの作業が続くわけですよ。
この間ね、ベッキーさんに会ったんですよ。「こいちゃんと一緒に曲書いたんですよ。で、こいちゃんと僕すごく気が合って、結構高校時代とか境遇が似てるんですよ。」まで言ったんですよね。そしたら「あ~~、そっち系ですか~~」って言われて。
小出:アハハハハ!!
ヒャダイン:あ、そこまで知られてるんだな、と思って。
小出:ベッキーさんと曲作るときも、結構そういう話してたから・・・。
まあ、改めて僕らとベッキーさんの青春時代の違いが・・・
ヒャダイン:彼女は完全なる一軍!僕らは三軍とか2.5軍とか・・・
小出:そうそう。一番ツラい立ち位置です。バスで言うと前から2列目。
ヒャダイン:後ろは絶対乗れない。後ろのロングシートは一軍でしょ?
小出:「一度でいいから座りたかった、ロングシート。」
ヒャダイン:あ、それも歌詞に入れればよかったね。2作目それで行くか~。
小出:これ使えますね。じゃあ「青春ゾンビ」っていう曲で。
ヒャダイン:メモっとこう。ホント俺らは青春ゾンビ。もうね、息絶えることができない、死のうと思っても死ねないっていう(笑)。いつまでたっても青春の足かせにとらわれ続けて。
でも、だから創作意欲とか曲を作るモチベーションになってるっていうのは間違いがないとは思うんだけど。
小出:こういう青春時代を送ってなかったら、こういうアウトプットも生まれてなかったからね。言う必要ないから、人に。
ヒャダイン:自己表現をそこでする必要がないんだよね。中~高と満たされなかったから、今満たされようと必死に頑張るんだけど、でもいかんせんゾンビだから(笑)。どんな薬も効きゃしない(笑)。
小出:だから自分で隙間を埋めていくしかない。でもこれは結構真理だよね。僕らみたいな青春時代だったから、アウトプットが生まれたし、だけど永遠にその穴を埋められないしっていうこの・・・
小出&
ヒャダイン:ジレンマ!
小出:ジレンマでハモった(笑)。だから、どっちが幸せかわからないけど、願わくばロングシートに座ってもらいたいから、僕らは今回魂を切り崩して・・・。「ここは俺らに任せてみんな先に行け!!」と。「俺らみたいになっちゃう前に早く行け!!」と。
ヒャダイン:よく「憧れてます」とかお便りいただくじゃないですか。でも、こうなるためには大きな犠牲が・・・(笑)
小出:ホントにそうです(笑)!! あまりにも代償が大きすぎる!!
ヒャダイン:それよりは本当にロングシートに座って幸せな青春時代を過ごして、幸せな家庭を持ってね。安寧と生きていって欲しいんですよ。気軽に合コンとか行ったりしてね。結婚式とかもさわやかにやってね。同級生がバカ騒ぎしてくれてね。
小出:サプライズビデオレターとかあったりね。
ヒャダイン:高校時代のエピソードとかね。俺、高校時代のエピソードなんて誰も語ってくれないもん(笑)。知らないもん、ほとんど。
小出:うわ~~、キツいな~(笑)。そうだね(笑)
ヒャダイン:何も無いよ。皆無だよ。
小出:俺も無いわ。
ヒャダイン:同窓会行ったことないし。
小出:そう。うちのドラムとギターが同級生で、ドラムとギターは(同窓会があるって)知ってたんだけど、僕は知らなかった。
ヒャダイン:いよいよもって切ないね(笑)。
小出:SCHOOL OF LOCK!を聴いてるみんなには、これからも安寧に生きて行って欲しいね。
ヒャダイン:やりたいことがあればやれ!言いたいことがあれば言え!ですよ。先週の岡村靖幸さんの言葉じゃないですけど、「告白しろ!!」ですよ!!そのとおりですよ。
小出:・・・「あの娘ぼくがロングシートに座ったらどんな顔するだろう」(笑)
ヒャダイン:俺もそれホントに思った!! (笑)ホント思った!!
小出:それだ! そうだ!
ヒャダイン:「あの娘ぼくらが~」にしようよ!!
小出&
ヒャダイン:「あの娘ぼくらがロングシートに座ったらどんな顔するだろう」(笑)
ヒャダイン:すごくない? これ(笑)

小出:(笑)いや~、というわけでそろそろお時間です。最後にヒャダインさんから十代のみんなに向けたメッセージを黒板に書いて頂きたいと思います。
ヒャダイン:今日出たワードだと一つしかないんじゃないですか?? これしかないでしょ・・・
(黒板に書く)
ヒャダイン:長いですが・・・、ハイ!

小出:「青春ゾンビは俺らだけでいいだろっ!!」(笑)。サビに追加できますよ(笑)。
ヒャダイン:みんなホントにゾンビにはならないでください!生命力あふれる生活を送ってください!
小出:はい! それではヒャダインさん、ありがとうございました!!