LUNA SEA「LUV」

INORAN Interview

Hold You Down

――「Hold You Dowm」の原曲作者はINORANさんだそうですが、いつ頃、どのようにして生まれてきた曲だったのですか?

INORAN今年(2017年)の頭ぐらいでしょうかね? アルバム(『LUV』)の中で今回何曲か(原曲を)書いてるんですけど、「あ、こういう曲をLUNA SEAでやったらいいな」という想いがあったのと、自分の中のある種のバイオリズムというか……エナジーに満ちている時に出来た曲です。例えば、前作の『A WILL』で僕が原曲を書いた「absorb」もそうですけど、ライヴであの曲をプレイする時のようなムードが俺は好きだし。ああいうムードの中で、風の中で、皆で演奏できたらいいなって。ファンの皆も一緒にプレイする、というかね。そういうことができる曲になったらいいな、という想いを込めて書き始めた気がします。

――最近のLUNA SEAのライヴにおけるINORANさんのパフォーマンスは、ファンの方を盛り上げて率先してノリをつくっていく、“ライヴ・マスター”だなという印象を受けるのですが……

INORAN“ライヴ・マスター”!? いただきました(笑)。ライヴ・パフォーマンスも曲づくりもそうですけど、いい意味で裏切っていくもの、予定調和じゃないものを生み出して、更新していきたいな、という想いはありますね。

――30周年へのカウントダウンが始まっているベテランのバンドでありながら、重厚さではなく、むしろ今こういった軽やかさが大事だ、という想いもあったんでしょうか?

INORANうーん……この曲自体がどういうものか?というのは、あまり関係ないかもしれないですね。今のLUNA SEAの、まだこれから続いていく歴史・歩みの中で、今ここにこの曲が落ちているというのが、後になって味が出て来るんじゃないかな? この曲をアルバムのリード曲として選んだのは、もちろんメンバーだけではなくスタッフの意見も聞いた上でだし、候補は他にもあったんですけど。たぶんそういう(この曲を選ぶような)ムードがあって、アルバムの全貌が見えて来て、その後ツアーが始まって、進んで行く。その(一連の流れがある中での)1曲だったということだけかな?と思いますよ。

――新しいことが始まる、幕開け感の強い曲だと感じますけどね。

INORANうん、そうですね。「Anthem of Light」(『A WILL』収録)ができた時のような感じだったんじゃないですかね?

――個人的にプレイの面で心掛けたのはどんな点ですか?

INORANやっぱり明るい光や風は感じさせたかったので、レコーディングではそういうものは意識しつつ、気持ち的に、「できるだけ雨の日は弾きたくないなぁ」みたいな感じはありました(笑)。

――RYUICHIさんのヴォーカルに対して、リクエストをされたことはありますか?

INORANないですよ。俺は全員に対して、そういうのはないです。

――お任せなんですね。では、歌詞についてはどのような印象を受けられましたか?

INORANちゃんと曲のムードを感じ取ってRYUちゃんは書いたんだろうな、と思いました。すごくフィットしてますよね。

――“僕”と“キミ”が出て来ますが、INORANさんはどんな関係性を思い浮かべましたか?

INORAN光繋がりじゃないですけど、人と自分と、自分と人と、互いに照らし合っているような……鏡のような感じかな? 

――この曲のミュージックビデオを撮影されたそうですね。どういうテイストの作品なのですか?

INORAN今のLUNA SEAの、立つ様、演奏する様がすごくよく出ている作品だと思いますよ。スタジオで演奏している感じのものは今までなかったから、「そういうのがいいかな?」と思って、アイディアを出したんですけど。どんなシチュエーションでも、どういう系統の服を着ていても、SUGIZOはSUGIZOだし、RYUはRYUだし、真ちゃんは真ちゃんだし、JはJだし。本当に皆、オンリーワンですからね。最近つくづくそう感じるんですよ。そういったことを「あぁ、やっぱりね」とダイレクトに感じられるようなミュージックビデオになっていると思います。

――『LUV』はまだ完成を待っている段階ですが、「Hold You Dowm」を手掛かりに、どういう想像をして待っていたらいいでしょうか?

INORAN原曲者の作風も含めて、“らしい”ところはとことん“らしい”し、待たせた分だけすごく濃縮されたアルバムになっていると思います。そしてまた、「あ、こう行くんだ?」といういい裏切りも、いい進化もあるだろうし。楽しみに待っててほしいです。俺自身、完成するのを楽しみにしてます。

――あと少し、という状況ですかね?

INORANそうですね。そのあと少しが、長いんですけどね(笑)。

(取材・文/大前多恵)

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