オフィシャル・ライナーノーツ
MUSICA編集長・有泉智子
06
サママ・フェスティバル!

転機となった2016年初夏のシングル。燦々と降り注ぐ太陽の光をそのまま真っ直ぐに撃ち返し、加速させるような、ミセス史上最もポジティヴに突き抜けたアッパーチューン。いつか終わってしまう夏を想うのではなく、今この瞬間の輝きを永遠に胸に焼きつけるために、色褪せることのない光を信じて、今という一瞬一瞬を全力で楽しもうと高らかに宣言する楽曲だ。ウネるシンセの狂騒とスパークしていくバンドサウンド。少しのセンチメンタリズムを滲ませるサビは、けれど二度と戻らない切なさよりも、ただただかけがえのない今に胸を高鳴らせる様をとても色濃く、とても眩く映している。これを機に格段に10代のファンが増えたが、それはこの曲が放つ瑞々しい青春性が呼んだものだと思う。

実際に当時、彼らはバンドとしてとても楽しそうだった。そもそも大森と若井以外は友達から始まっているわけではなく、明確にデビューを目指して集結したメンバーである彼らは、試行錯誤を重ねつつ活動する中でバンドとしての一体感と結束力を増していった。そういう時期特有のバンド自体から溢れ出すポジティヴで勢いのあるエネルギーが、この曲の輝きを作っている。

LISTEN!