オフィシャル・ライナーノーツ
MUSICA編集長・有泉智子
09
どこかで日は昇る

『Mrs. GREEN APPLE』を完成させた直後から制作に取り掛かり、映画主題歌として書き下ろされたシングル。と言いつつも、監督の作品作りに対する姿勢に共鳴した結果、自由に創作することができたというこの曲は、語弊を恐れずに言うならば、「どんなサウンドを纏うか、あるいはどんなフックを仕込むことでポップソングとしての訴求力を上げるか」という部分に意識を置くのではなく、あくまで歌というものの本質で直球勝負をする、愚直でエモーショナルな楽曲だ。そういう意味では“鯨の唄”とも重なる部分が多い曲でもある。

<幸せって何だろう?>、<人生って何だろう?>と歌われている通り、テーマは大きい。けれど、それを等身大の歩幅に落とし込みながら、無邪気に夢を見続けられるほど甘くない現実や、迷うことも見失うことも、あるいは逃げてしまうこともある毎日の中でそれでも悪いことばかりではないと思えること、寄り添う心の存在や日々の愛おしさに気づかされること、そうやって繰り返しながら進んでいく人生を<今日も布団の中で眠りに就く頃には/どこかで日が昇る>というユーモラスな表現で表している。ミセスの温かな人間味に触れることができる一曲でもある。

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