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其の壱  其の弐

──ただ、林檎ちゃんはあの日のパフォーマンスをライヴではなく、イベントとして捉えて捉えているんだよね?
  「そうですね。基本的には(DVD短篇キネマ)『百色眼鏡』のキーになっている“覗き”っていう行為を全国あちこちで結果 的にして戴いたっていう現象にしたかったんです。だから、見る前に頂いていた印象とは違う印象を持ち帰って頂きたくて、それはDVDも同じですね」
──そして、DVD『賣笑エクスタシー』には、「映日紅(イチジク)の花」という新曲がさりげなく入ってますけど、これはいつレコーディングされたものなの?
  「これはごく最近に録ったもので、曲は『加爾基 精液 栗ノ花』でもギターを弾いてもらってる浮雲のものなんです。もともと、他の人の曲を唄ってみたいから、兄とか周りの知ってるミュージシャンに曲をくださいって言ってたんですけど、そうしたら、浮雲がすぐに書いてくれて、その曲がすごく良かったのでいずれ唄いたいなと思っていたんです。今回、『賣笑エクスタシー』のDVDを出すにあたって、レコード会社から“おまけに付ける曲、ない?”っていうお話を頂いたので、“ある!あの曲がいい”っていうことになったという」
──で、その浮雲さんなんですけど、彼はどういう方なんでしょう?
  「曲は他では書いていないみたいなので、彼の曲は今回初めて世に出るもので……なんて、説明したらいいんだろう。隠れた才能がここに!って感じで、普段はカントリー・バンドのギタリストなんです。彼はフレーズがメロディアスというか、胸キュンなフレーズを持ってくるんです。だから、大事なことを大事なこととしてやっているっていうところに共感しますね」
──カントリー的ではなく、シンプルで構築的な曲になってるけど、そこに林檎ちゃんが詞を付けているという。
  「こういう形で詞を付けたのは今回が初めてなので、作詞家さんって大変だな、と。ただし、人の曲だとその人の呼吸で作られているので、そこに言葉を載せるのは難しかったし、勉強になりましたね。ちなみに内容に関しては、曲が『加爾基~』の雰囲気に近いものだったので、詞に関しては(ラスト曲)「葬列」の続きになるものにしようと思って書きました」
──今回、DVDと同時発売される『加爾基~』のアナログも、「葬列」のあとに「映日紅の花」が入ってるもんね。
  「そうです」
──ちなみに『加爾基~』って最後の「葬列」が最初の「宗教」に戻っていくような構成になってたでしょ? そこにどういうイメージでこの「映日紅の花」が続くの?
  「ラストの曲が1曲目に戻っていくイメージは確かにあるけど、こういうこともあるよねっていう感じ、“そういう輪廻もあるけど、こういう輪廻もあるよね”っていう感じにしたかったんです。こういうことって軽率に言うことではないけれど(笑)、輪廻のなかにもう一つこういうルールがあるっていう意味ではなくて、追記に近いもので、そういう1曲になればいいな、と」



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