ザ・ビートルズ 2017

タイプ別『サージェント・ペパーズ』バイヤーズガイド

『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』発売50周年

ザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の新ミックスはCDが3種類にアナログ盤が1種類リリースされています。どれを買っていいのか迷っているリスナーもいらっしゃると思います。そんな方は、ぜひ、このバイヤーズガイドを参考にしてください!

まずはビートルズ度のチェック

  • タイプA

    初めてザ・ビートルズを聴く

    ▼ タイプ判断

    通常盤がオススメ

    <<ポイント:モノラル・ミックスを参考に、ステレオの特徴をプラスした「いいとこ取り」のミックス>>

    このアルバムがレコーディングされた当時(1966年〜67年)はまだモノラルのレコードが主流でした。ですからビートルズのメンバーもステレオ・ミックスにはあまり関心がありませんでした。マニアの間では、今でもモノラル・ミックスが理想とされています(モノラル・ミックスは現在入手困難)。そこで、登場したのが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』2017ミックスです。この新しいステレオ・ミックスはモノラル・ミックスを参考にして作られました。全体のサウンドがセンターに来るようにバランス良くまとめられ、とても聴きやすい仕上がりになっています。ビートルズが愛したモノラル・ミックスにステレオの良さ=音の広がりをプラスした「いいとこ取り」のミックスになっています。ミックスを担当したのは、ビートルズのプロデューサー、故ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンと、サム・オケルです。ビートルズ初心者のあなたも、きっと気に入ると思います。

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  • タイプB

    『サージェント・ペパーズ』がロックの名盤だと聞いたことがあるが今までアルバムを聴いたことがない

    ▼ タイプ判断

    通常盤がオススメ

    <<ポイント:モノラル・ミックスを参考に、ステレオの特徴をプラスした「いいとこ取り」のミックス>>

    このアルバムがレコーディングされた当時(1966年〜67年)はまだモノラルのレコードが主流でした。ですからビートルズのメンバーもステレオ・ミックスにはあまり関心がありませんでした。マニアの間では、今でもモノラル・ミックスが理想とされています(モノラル・ミックスは現在入手困難)。そこで、登場したのが『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』2017ミックスです。この新しいステレオ・ミックスはモノラル・ミックスを参考にして作られました。全体のサウンドがセンターに来るようにバランス良くまとめられ、とても聴きやすい仕上がりになっています。ビートルズが愛したモノラル・ミックスにステレオの良さ=音の広がりをプラスした「いいとこ取り」のミックスになっています。ミックスを担当したのは、ビートルズのプロデューサー、故ジョージ・マーティンの息子ジャイルズ・マーティンと、サム・オケルです。ビートルズ初心者のあなたも、きっと気に入ると思います。

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  • タイプC

    『サージェント・ペパーズ』のアルバムを持っていて、聴き込んでいる

    ▼ タイプ判断

    2CD盤がオススメ

    <<ポイント:「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」が『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に帰ってきた>>

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディングは1966年11月24日から1967年4月21日までつづきました。そのレコーディング・セッションで最初に録音された曲が「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」です。次に「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」を録音し、「ペニー・レイン」……とつづいていきました。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」は、イギリスで1967年2月17日にシングルとしてリリースされ、『サージェント・ペパーズ』には収録されませんでした。当時のイギリスでは、両A面に値するシングルはアルバムには入れないという慣習があったようです。その2曲が『サージェント・ペパーズ』に帰ってきました。それがこの2CD盤です。ディスク2の最後に、この2曲は収録されています。それに加え、レコーディング・セッションの模様が「アーリー・テイク」というかたちで収録されています。この頃、ビートルズは曲のアイディアの輪郭を持ってレコーディング・スタジオに入っていました。そのため1曲を作るのに数多くのテイク数を演奏しました。それを元にダビングやリダクションを繰り返して、少しずつアルバムを作り上げていきました。だから1曲ごとに様々なテイクが残っているのです。ディスク2にはその中からチョイスされた音源(アーリー・テイク)が曲順通りに収録されています。その中で一番の目玉はやはり「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」ということになります。この曲は、ジョン・レノンの指示で、テイク7とテイク26の速度を調整しながら、つなぎ合わせて作られました。よく聴くと、途中で曲調が変わるのがわかります。その元となったテイク7とテイク26がディスク2に収録されています。曲ができる過程を、自宅で疑似体験できるのです。『サージェント・ペパーズ』のアルバムをよく理解しているあなたにとって、とてもエキサイティングな体験になると思います。

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  • タイプD

    『サージェント・ペパーズ』がどうやってレコーディングされたのか、その片鱗でいいから聴いてみたい

    ▼ タイプ判断

    2CD盤がオススメ

    <<ポイント:「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」が『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に帰ってきた>>

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディングは1966年11月24日から1967年4月21日までつづきました。そのレコーディング・セッションで最初に録音された曲が「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」です。次に「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」を録音し、「ペニー・レイン」……とつづいていきました。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」は、イギリスで1967年2月17日にシングルとしてリリースされ、『サージェント・ペパーズ』には収録されませんでした。当時のイギリスでは、両A面に値するシングルはアルバムには入れないという慣習があったようです。その2曲が『サージェント・ペパーズ』に帰ってきました。それがこの2CD盤です。ディスク2の最後に、この2曲は収録されています。それに加え、レコーディング・セッションの模様が「アーリー・テイク」というかたちで収録されています。この頃、ビートルズは曲のアイディアの輪郭を持ってレコーディング・スタジオに入っていました。そのため1曲を作るのに数多くのテイク数を演奏しました。それを元にダビングやリダクションを繰り返して、少しずつアルバムを作り上げていきました。だから1曲ごとに様々なテイクが残っているのです。ディスク2にはその中からチョイスされた音源(アーリー・テイク)が曲順通りに収録されています。その中で一番の目玉はやはり「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」ということになります。この曲は、ジョン・レノンの指示で、テイク7とテイク26の速度を調整しながら、つなぎ合わせて作られました。よく聴くと、途中で曲調が変わるのがわかります。その元となったテイク7とテイク26がディスク2に収録されています。曲ができる過程を、自宅で疑似体験できるのです。『サージェント・ペパーズ』のアルバムをよく理解しているあなたにとって、とてもエキサイティングな体験になると思います。

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  • タイプE

    『サージェント・ペパーズ』のレコーディングの時に録音したはずの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」がアルバムに入っていないのは納得がいかない

    ▼ タイプ判断

    2CD盤がオススメ

    <<ポイント:「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」が『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に帰ってきた>>

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のレコーディングは1966年11月24日から1967年4月21日までつづきました。そのレコーディング・セッションで最初に録音された曲が「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」です。次に「ホエン・アイム・シックスティ・フォー」を録音し、「ペニー・レイン」……とつづいていきました。「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と「ペニー・レイン」は、イギリスで1967年2月17日にシングルとしてリリースされ、『サージェント・ペパーズ』には収録されませんでした。当時のイギリスでは、両A面に値するシングルはアルバムには入れないという慣習があったようです。その2曲が『サージェント・ペパーズ』に帰ってきました。それがこの2CD盤です。ディスク2の最後に、この2曲は収録されています。それに加え、レコーディング・セッションの模様が「アーリー・テイク」というかたちで収録されています。この頃、ビートルズは曲のアイディアの輪郭を持ってレコーディング・スタジオに入っていました。そのため1曲を作るのに数多くのテイク数を演奏しました。それを元にダビングやリダクションを繰り返して、少しずつアルバムを作り上げていきました。だから1曲ごとに様々なテイクが残っているのです。ディスク2にはその中からチョイスされた音源(アーリー・テイク)が曲順通りに収録されています。その中で一番の目玉はやはり「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」ということになります。この曲は、ジョン・レノンの指示で、テイク7とテイク26の速度を調整しながら、つなぎ合わせて作られました。よく聴くと、途中で曲調が変わるのがわかります。その元となったテイク7とテイク26がディスク2に収録されています。曲ができる過程を、自宅で疑似体験できるのです。『サージェント・ペパーズ』のアルバムをよく理解しているあなたにとって、とてもエキサイティングな体験になると思います。

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  • タイプF

    ビートルズについては日々研究している

    ▼ タイプ判断

    スーパー・デラックス・ボックス・セット【完全生産限定盤】がオススメ

    <<ポイント:『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にまつわる物語が詰まっている>>

    最強のモノラル盤が登場
    スーパー・デラックス・ボックス・セットにはディスク4に、モノラル・ミックスが入っています。モノラル・ミックスは現在入手困難。聴くには絶好の機会です。とはいえ、ビートルズを深く聴き込んでいるあなたはすでにモノラル盤を所有しているかもしれません。ところがこのモノラル盤は今までのものとは違います。ボーナス・トラックとして「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(オリジナル・モノ・ミックス)」「ペニー・レイン(オリジナル・モノ・ミックス)」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ(未発表・ファースト・モノ・ミックス)」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(未発表・オリジナル・モノ・ミックス – No.11)」「シーズ・リーヴィング・ホーム(未発表・ファースト・モノ・ミックス)」「ペニー・レイン(キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノ・ミックス)」が収録されています。言わば、最強のモノラル盤です。さらに深くビートルズの世界にダイブできます。

    ディスク1、4、1、2、3の順番で聴くと何かと楽しい
    ディスク2とディスク3には2CD盤より詳細なレコーディング・セッションの模様が収められています。2枚のCDにわたって、しかも時系列で並べられています。5ヵ月にわたってつづいた伝説のセッションを駆け足で体験することができます。いろんな文献を読み漁り、このレコーディング・セッションについて詳しいあなたにはたまらない体験になると思います。今まで『アンソロジー』でその断片を知ることはできましたが、こうやってきちんとしたかたちで『サージェント・ペパーズ』が出来上がる過程を追いかけられるなんて、これ以上の至福はないでしょう。そこで、このCDの聴き方ですが、まずは新ミックス(ディスク1)を聴き、そのミックスの参考になったモノラル・ミックス(ディスク4)を聴いて、さらにディスク1を聴き直して、モノラル・ミックスと比較。さらに文献を読みながら、ディスク2と3でレコーディングの模様を「実際の音」で追体験する。仕上げとして、ディスク5か6でミュージック・ビデオやメイキング映像(日本盤は日本語字幕付き)を見て楽しむ、というのはいかがでしょうか。ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてください。

    3Dアートのジャケットを深読みする
    スーパー・デラックス・ボックス・セットは大きなボックスに入っています。この中にも『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の物語がめいっぱい詰まっています。まずはスリーブ。世界的に有名なアルバム・ジャケットが3Dアートで表現されています。3Dアートのジャケットと言って、すぐ思い出されるのが、ザ・ローリング・ストーンズの『サタニック・マジェスティーズ』。当時、『サタニック・マジェスティーズ』のジャケット・デザインは『サージェント・ペパーズ』に影響されすぎでは? と言われました。その50年後に、今度は『サージェント・ペパーズ』が『サタニック・マジェスティーズ』の3Dアートを取り入れるという展開に。そこまで深い意味はないのでしょうが、これもまたロックの物語と考えれば、とても面白いです。

    様々な角度から世界的に有名なジャケット・アートを楽しむ
    スリーブを外すと、50年前のマスターテープ(ステレオ・ミックス)のインデックスが印刷されたボックスが現れます。これを眺めるだけで30分は楽しめます。ボックスを開けると、LP大のジャケットが入っています。スリーブが3Dだっただけに、ここで初めてオリジナルのジャケットに出会えるわけです。ダブルジャケットを開くと、そこにディスクが6枚挿してあります。よく見ると、ディスク2からディスク4までのジャケットがアルバム・ジャケットのアウトテイク集になっています。裏ジャケット(表4)もご丁寧にアウトテイクの写真が掲載されています。プロダクト自体が資料集の役割を果たしているのです。なかなか芸が細かいです。本来、ダブルジャケットの真ん中に掲載されているはずの4人の写真はポスターとしてついています。それから日本盤のみの特典として、『サージェント・ペパーズ』立版古(たてばんこ/ペーパージオラマ)がついてきます。この組み立てキットにより、さらに立体的にジャケット・デザインを楽しめます。

    「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のポスターのレプリカにジョン・レノンの視線を感じてみる
    スーパー・デラックス・ボックス・セットには、サーカスのポスターもついています。ジョン・レノンがこのポスターを見て「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」というタイトルをつけた話は有名です。このレプリカのポスターにジョン・レノンの視線を感じてみるのもいいでしょう。マニア心をくすぐる品というよりも、これもまた『サージェント・ペパーズ』の物語の一部と言っていいでしょう。ボックスの一番底に入っているハードカバーのフォト・ブックは2CD盤のものに比べてサイズも大きいし(ちなみに『サージェント・ペパーズ』変装キットも、もちろんLPサイズです)、内容も遥かに充実しています。このフォト・ブックには、収録曲の歌詞がメンバーの直筆で掲載されるなど、とても資料的な価値が高い内容になっています。ビートルズを研究しているあなたにとって、大事な本になると思います。

    スーパー・デラックス・ボックス・セットはマストバイ
    スーパー・デラックス・ボックス・セットは単に特典を詰め込んだというのではなく、ひとつひとつの音源やひとつひとつのアイテムが『サージェント・ペパーズ』の物語を紐解く上で重要な役割を与えられています。『サージェント・ペパーズ』に関して、もうこれ以上の資料は出てこないのではないでしょうか。日頃からビートルズのことを深く知ろうとしているあなたにとって、スーパー・デラックス・ボックス・セットは必携です。

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  • タイプG

    ビートルズの本を読み込んで、『サージェント・ペパーズ』のレコーディングについて、ほぼ把握している

    ▼ タイプ判断

    スーパー・デラックス・ボックス・セット【完全生産限定盤】がオススメ

    <<ポイント:『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』にまつわる物語が詰まっている>>

    最強のモノラル盤が登場
    スーパー・デラックス・ボックス・セットにはディスク4に、モノラル・ミックスが入っています。モノラル・ミックスは現在入手困難。聴くには絶好の機会です。とはいえ、ビートルズを深く聴き込んでいるあなたはすでにモノラル盤を所有しているかもしれません。ところがこのモノラル盤は今までのものとは違います。ボーナス・トラックとして「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー(オリジナル・モノ・ミックス)」「ペニー・レイン(オリジナル・モノ・ミックス)」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ(未発表・ファースト・モノ・ミックス)」「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ(未発表・オリジナル・モノ・ミックス – No.11)」「シーズ・リーヴィング・ホーム(未発表・ファースト・モノ・ミックス)」「ペニー・レイン(キャピトル・レコーズ・U.S.プロモ・シングル・モノ・ミックス)」が収録されています。言わば、最強のモノラル盤です。さらに深くビートルズの世界にダイブできます。

    ディスク1、4、1、2、3の順番で聴くと何かと楽しい
    ディスク2とディスク3には2CD盤より詳細なレコーディング・セッションの模様が収められています。2枚のCDにわたって、しかも時系列で並べられています。5ヵ月にわたってつづいた伝説のセッションを駆け足で体験することができます。いろんな文献を読み漁り、このレコーディング・セッションについて詳しいあなたにはたまらない体験になると思います。今まで『アンソロジー』でその断片を知ることはできましたが、こうやってきちんとしたかたちで『サージェント・ペパーズ』が出来上がる過程を追いかけられるなんて、これ以上の至福はないでしょう。そこで、このCDの聴き方ですが、まずは新ミックス(ディスク1)を聴き、そのミックスの参考になったモノラル・ミックス(ディスク4)を聴いて、さらにディスク1を聴き直して、モノラル・ミックスと比較。さらに文献を読みながら、ディスク2と3でレコーディングの模様を「実際の音」で追体験する。仕上げとして、ディスク5か6でミュージック・ビデオやメイキング映像(日本盤は日本語字幕付き)を見て楽しむ、というのはいかがでしょうか。ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてください。

    3Dアートのジャケットを深読みする
    スーパー・デラックス・ボックス・セットは大きなボックスに入っています。この中にも『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の物語がめいっぱい詰まっています。まずはスリーブ。世界的に有名なアルバム・ジャケットが3Dアートで表現されています。3Dアートのジャケットと言って、すぐ思い出されるのが、ザ・ローリング・ストーンズの『サタニック・マジェスティーズ』。当時、『サタニック・マジェスティーズ』のジャケット・デザインは『サージェント・ペパーズ』に影響されすぎでは? と言われました。その50年後に、今度は『サージェント・ペパーズ』が『サタニック・マジェスティーズ』の3Dアートを取り入れるという展開に。そこまで深い意味はないのでしょうが、これもまたロックの物語と考えれば、とても面白いです。

    様々な角度から世界的に有名なジャケット・アートを楽しむ
    スリーブを外すと、50年前のマスターテープ(ステレオ・ミックス)のインデックスが印刷されたボックスが現れます。これを眺めるだけで30分は楽しめます。ボックスを開けると、LP大のジャケットが入っています。スリーブが3Dだっただけに、ここで初めてオリジナルのジャケットに出会えるわけです。ダブルジャケットを開くと、そこにディスクが6枚挿してあります。よく見ると、ディスク2からディスク4までのジャケットがアルバム・ジャケットのアウトテイク集になっています。裏ジャケット(表4)もご丁寧にアウトテイクの写真が掲載されています。プロダクト自体が資料集の役割を果たしているのです。なかなか芸が細かいです。本来、ダブルジャケットの真ん中に掲載されているはずの4人の写真はポスターとしてついています。それから日本盤のみの特典として、『サージェント・ペパーズ』立版古(たてばんこ/ペーパージオラマ)がついてきます。この組み立てキットにより、さらに立体的にジャケット・デザインを楽しめます。

    「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」のポスターのレプリカにジョン・レノンの視線を感じてみる
    スーパー・デラックス・ボックス・セットには、サーカスのポスターもついています。ジョン・レノンがこのポスターを見て「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」というタイトルをつけた話は有名です。このレプリカのポスターにジョン・レノンの視線を感じてみるのもいいでしょう。マニア心をくすぐる品というよりも、これもまた『サージェント・ペパーズ』の物語の一部と言っていいでしょう。ボックスの一番底に入っているハードカバーのフォト・ブックは2CD盤のものに比べてサイズも大きいし(ちなみに『サージェント・ペパーズ』変装キットも、もちろんLPサイズです)、内容も遥かに充実しています。このフォト・ブックには、収録曲の歌詞がメンバーの直筆で掲載されるなど、とても資料的な価値が高い内容になっています。ビートルズを研究しているあなたにとって、大事な本になると思います。

    スーパー・デラックス・ボックス・セットはマストバイ
    スーパー・デラックス・ボックス・セットは単に特典を詰め込んだというのではなく、ひとつひとつの音源やひとつひとつのアイテムが『サージェント・ペパーズ』の物語を紐解く上で重要な役割を与えられています。『サージェント・ペパーズ』に関して、もうこれ以上の資料は出てこないのではないでしょうか。日頃からビートルズのことを深く知ろうとしているあなたにとって、スーパー・デラックス・ボックス・セットは必携です。

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それでは、それぞれ自分のタイプに合ったザ・ビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』の新ミックスを心ゆくまで楽しんでください!

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