- ■柚木麻子
- 1981年、東京都生まれ。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞。2010年、同作を含む『終点のあの子』でデビュー。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞を受賞。2017年刊行の『BUTTER』は、2024年に英訳版が出版され、ブリティッシュ・ブック・アワードのデビュー小説部門を日本人作家として初受賞、ウォーターストーンズ・ブック・オブ・ザ・イヤー選出など4冠を達成。世界的ベストセラーとして日本文学の新たな可能性を示し、第7回野間出版文化賞を受賞。現在、世界累計200万部を超えている。他の著書に「ランチのアッコちゃん」シリーズ、『伊藤くん A to E』『らんたん』『ついでにジェントルメン』『オール・ノット』など。
柚木麻子 私の子ども時代、テレビ番組を異常におもしろくしてしまった6曲
9歳になる私の子どもはYouTubeに夢中。私は小言ばかり口にしているが、欺瞞である。なぜなら、私が子どもの頃は、うちの子とは比較にならないほどの時間をブラウン管にかじりつき、日曜日なんてほぼ一日中テレビをみていたのだ。
80〜90年代のラテ欄を読んでいると、だいたい内容を把握しているのでギョッとする。
あの異様な高揚感の中心には松任谷由実の楽曲があった、と私は思っている。
お笑い番組のエンディングがキラキラしすぎていて泣きたくなるほど切なかったのは、青春ドラマの登場人物の心のぶつかり合いが高まりに高まってどうにもならなくなる瞬間に胸がギュッとなったのは、そしてTBSの主に佐野史郎と野際陽子のタッグが大暴れする愛憎ドラマが、悪者にまで感情移入してしまうほど熱い血がたぎる命の時間だったのは、ひとえに物語世界を理解しつつ、その延長線にさらなる宇宙を紡ぎ、ドラマごと内包するような、松任谷由実の語り部としてのスケールの大きさにある。虚構の世界へのリスペクトと知性の出し惜しみのなさが、これらの楽曲には確かにあったと思う。
選曲リスト
- 01. 命の花KATHMANDU 4:45
- 02. 真夏の夜の夢ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜 5:03
- 03. 土曜日は大キライALARM à la mode 3:22
- 04. 冬の終わりユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜 4:33
- 05. 11月のエイプリルフールU-miz 4:39
- 06. Hello,my friendユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜 4:27