LUNA SEA
オリジナル 9th アルバム
『LUV』インタビュー

真矢

僕はつくづく、不器用な人間だと思いました

――真矢さんご自身は、プレイしながらどういうフィーリングが湧く曲なのですか?

真矢僕はどの曲も、気持ちがどうというよりも、楽曲が求めるドラムの音、グルーヴを一生懸命やっているだけですね。

――真矢さんのドラミングは人間らしくてハートフルで、ライヴでいつも感動してしまいます。

真矢そうですか? やっぱり、僕のドラムの原点には祭囃子があってね。盛り上げる役目もあるんですけど、神に捧げる、誰かに捧げる表現なわけですよ。だからライヴでも、叩くというより、その会場に来ている皆に捧げるという意識があるから、そう聞こえるのかもしれないね。

――エゴとは真逆の、無私の、まさに愛ですね。

真矢そうかもね、まさしくアルバムタイトルの。つまりそういうことですよ。今度から“LUV真矢”って名前にしようかな(笑)。

――(笑)。それにしても、『GOD BLESS YOU 〜One Night Déjàvu〜』から今年で10年です。

真矢長いですね。終幕から“GOD BLESS YOU 〜One Night Déjàvu〜”までの期間を、もう過ぎたんだよね。僕は、終幕からの7年のほうが長かったな。あの時期、本当の自分の実力だとか、LUNA SEAという鎧を取った真のリアルな自分というものを、嫌というほど見せられたので…。あの期間のほうが長く感じられるし、すごく勉強になった7年でしたね。

――闘いの日々でもあったんでしょうか。

真矢うん、闘いの日々だったね。手の平を返したように態度が違う人もいたし。そんなもんですよ、本当に。ある人のバックバンドをやって、本番中に水を掛けられたりもしたし。いろんなことがあって…そういう日々はすごく実りがあったと思いますよ。

――衝撃的なお話ですが…実りという言葉でポジティヴに捉えていらっしゃるんですね。

真矢GOD BLESS YOU 〜One Night Déjàvu〜”があって、REBOOT(2010年の再始動)があって、今こうして活動できているからこそ、「実りがあった」と言えるのかもしれないですね。「あの7年がなければ成長してなかったな」という想いがあるんだと思う。

――この10年で、LUNA SEAというバンドに対する想いが変わったり、逆に、変わらないものが分かったり…という部分はありますか?

真矢僕はつくづく、不器用な人間だ、と思いました。もうLUNA SEA以外のバンドでドラムを叩きたくなくなっちゃうんですよ。大黒摩季ちゃんは、2000年からずっと僕と一緒にやってくれて、大親友になってくれたから、特別なんですけど。昔は結構いろんな依頼を受けて叩いていたけど、今は摩季ちゃんのライヴ以外ではやってないですもん。お話はもらうし、1日だけのレコ-ディングとか、そういうのは別にいいんですけども。「ツアーで叩いてください」ということになると、「うーん…」みたいな。

――やはり、本命の存在があると他でできない、と…?

真矢そうそう。たぶん、すごく不器用なんだよ。LUNA SEAに集中しているモードなんです。終幕以前もそんな傾向はありましたけどね。だから、皆がソロ活動を始めた時、僕はドラムを(LUNA SEA以外で)叩きたくないから、ということで歌を歌ったりして。ちょっと面倒くさい性格なんですけど(笑)。

――いえいえ、真っ直ぐでピュアなアーティストらしさではないですか?

真矢どうだろう? “職人”というところが強いのかもしれないね。昔の宮大工さんが一般家庭は手掛けなかったように。トイレを扱うと手が穢れるからと言って、神輿だとか、そういうものしかつくらないという風習だったらしいですけど、僕もそういう性格みたい。

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