LUNA SEA
オリジナル 9th アルバム
『LUV』インタビュー

INORAN

俺は“常に始まっていたい”んだよね

――『LUV』をつくり終えられた今、どんな手応えでしょうか?

INORANいいアルバムになったと思いますよ。長い時間を掛けてつくっていたのもあるし、昔みたいに何カ月かの期間に集約してつくったわけでもなかったので、出来てみないとどんな全体像かなかなか分からなかったんですけど。形が見えて来たのは本当に最近、曲順決まってからですよね。

――曲順はミーティングで決められたのでしょうか?

INORAN曲順やセットリストはSUGIZOが最初の叩き台を持ってくるので、それに対して皆でああでもない、こうでもない、というのを何回かやって決めていきました。

――INORANさん原曲のリード曲「Hold You Down」で始まるのは、最初から決まっていたのですか?

INORANわりと最初のほうだったと思いますね。俺もたぶんそれを目指してつくったので。というのは、「1曲目にしたい」という意味ではなくて、そういうイメージの曲、というか。

――何かが始まる、幕開け感を宿した曲ですもんね。

INORANそうですね。俺は、常に“始まっていたい”んだよね。始まったら走りっ放し、とかではなくて、ことあるごとに始まっていたい。新しい発見があって、新しい想いがあって…それは曲もそうだし、友だちや大事な人と会ってもそうだし、1日でもそうだしね。

――前作『A WILL』のリリース後、次はどんなアルバムにしたい、と考えていらっしゃましたか?

INORAN「こういうアルバムにしたい」というのは、なかったんです。ソングライティングは皆がするので、たとえ自分が想像しても、そのまま来る人もいれば新しいところへ行く人もいるだろうし。季節も何回も変わったし、その時々で感じる音というのはたぶん、全然違うと思うので。来年の夏の天気を想像してもそうはならないし、ただ晴れてればいいな、と願うような感じで、「いいアルバムになればいいな」ぐらいに思っていました。

――明確なコンセプトはなく曲が積み上がって出来た、という点は『A WILL』も同じだと思いますが、今作はどういうところが異なっていましたか?

INORANA WILL』のほうがある意味、気合は入っていましたよね。LUNA SEAというバンドの時計の針を一度止めて(※2000年の終幕)、また時間が動き出してからのオリジナル・アルバム1作目だったので。でも、今回はその時とは違う。もう時計はずっと動き続けていますから。アルバムをつくりたい、というのはミュージシャンとして、バンドとしては当たり前の衝動なので、それに基づいてつくっているだけなんです。だから、『A WILL』より今作のほうがもうちょっとピュアで、オーガニックな感じはあるかな。

――INORANさん原曲は「Hold You Down」の他、「Thousand Years」そして真矢さんとのコラボレーションインスト「Ride the Beat,Ride the Dream』。どのように生まれて来た曲なのですか?

INORAN携わった3曲は、「今LUNA SEAでこういう曲やったらいいな」と思い描きながらつくった曲ですね。ライヴでやった時の空気感、ムードを想像しながら。

――「Ride the Beat~」は、INORANさん発案で真矢さんに「こういうのやってみようよ」と誘い、つくられたとか。

INORANそうですね。真矢くん作曲にしときましょう(笑)。いろんなプロジェクトでいろんなドラマーとセッションしてますけど、やっぱり真ちゃんのビートはジャンルレスなんです。いろんなジャンルでグルーヴできて、独特で唯一無二だし、そういう曲があったら面白いな、と思って。真ちゃんにはもう、好きに叩いてもらいました。俺は基本、他のメンバーには好きにやってもらうんです。そのほうが自分の想像を超えてくるから。だから、真ちゃんに叩いてもらったのを、デモの音と全部差し替えて。イントロのピアノは、スタジオで音を差し替えている最後の段階で、「あ、このフレーズいいな」というのを自分で弾いたんです。だからあそこはデモとは全然違うんですよ。

――こうしたインストが収録されるのは、珍しい試みですよね。

INORANそうですね、LUNA SEAとしては初になるのかな? そういうのがあったらかっこいいな、と思ってやってみました。

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