LUNA SEA
オリジナル 9th アルバム
『LUV』インタビュー

J

普遍的で純粋にいい曲が、このバンドの中にあってもいいんじゃないかな?と

――LUNA SEAというバンドは、新章へと進んだんですね。

Jさっき言っていた、最初の頃のセッションの最中、皆とのキャッチボールが霧の中のようだった、ということの意味が分かったんですよ。それはなぜか?というと、今まで俺たちが見たことのない景色だったから、なんだよね。もしかしたら今までは、かつて俺たちが見た景色、聴いてきたもの、感じてきたものを「こうだったよね」「ああだったよね」と掴もうとしていた中で出来てきた曲だったのかもしれない。だけど、それを全部自分たちの中に取り入れられた今だからこそ、次の世界の扉を開いて、「ここ、どこ? 俺たちが行こうとしているところは?」と感じながら、自分たちがまた新しいものをつくり上げようとしていた。そういうことだったのかな?と、『LUV』をつくりあげた今なら理解ができるんだ。

――大海原に漕ぎ出でて、冒険を始めたような感覚でしょうか。

Jそうだね。自然にそういうタイミングを迎えられたのは、俺は本当にうれしいけどね。なぜならそれは、バンドとして自然に呼吸をしてる、ということだから。

――「Miss Moonlight」もJさん原曲ですが、ポップさもあり、今の大人のLUNA SEAだからこそ新鮮に響くのかな?と感じました。

J純粋にバンドとして、プレイしたらカッコいいだろうな、と思いながらつくっていた曲。上辺だけで語られないような曲、というか。…何て言えばいいんだろう? “普通にカッコいい曲”ができたらいいな、と俺は思ったんだ。「激しいよね」とか「悲しいよね」とか、そういう説明が前に付かない、もう自然とそこにあるもの。だけど同時に、聴いた人の何かを掴んで離さないような曲、というかね。普遍的で純粋にいい曲が、このバンドの中にあってもいいんじゃないかな?と。新しい代表曲の一つになるべく存在の曲を欲していた自分がいたんだ。

――シンプルな8ビートですが、老舗ブランドが新定番を出してきたような強さを感じました。

J何の変哲もないけどストーン!と胸の中に落ちてくるような曲。そういう曲を持っているバンド、アーティストって強いし、すごいなと思うんですよ。そういった曲を、今は「カッコいい」と思ったりもしていて。ずっと古くならないようなものがいいなぁ、と思っています。

――アルバムタイトルは『LUV』について伺います。テーマが愛だというお話は5月29日の日本武道館公演のMCでRYUICHIさんが最初になさいました。話し合って決めたわけではなかったそうですが、自然と導き出されたキーワードだったのかな?と。Jさんは今、タイトルに対してどんな想いがありますか?

J今、世の中ではいろいろな、信じられないようなことが起きるし、模索し、迷走しているような時代で。そんな中で一番、皆が求めていることなんじゃないかな? でも、その正体は実際、分からなくて…。目に見えないものであり、世界中が求めているものなんじゃないか、とは思います。俺はRYUが言ったことを、「そういうことを表現したかったんだな」と捉えてるんだけども。

――正義も一つではなく、立場によってどちらかにとっての幸せな愛が、もう一方にとっては不幸せな地獄になるかもしれない、という中で、愛という大きなテーマをバンドとして扱うのは、とても勇気があることのようにも思いました。

Jうん、そうですね。今作はサウンドとしても新しい世界に飛び込んでいこうとするバンドの意識を感じたし、新しいストーリーとしてRYUICHIが向かおうとした先というのは、そういった壮大なテーマだったんだろうな、と思う。客観的にアルバムを聴いても、その相乗効果は生まれていると思いますよ。そこで、今作を手にしてくれた皆が何を感じてくれるのか? 何を思ってくれるのか?というのが、すごく楽しみだしね。自分たち自身も、掲げたそのテーマを、このアルバムを以てして、自分たちでも探しに行くんじゃないかな?と思うんだ。

LUV 詳細とご購入はこちら