LUNA SEA
オリジナル 9th アルバム
『LUV』インタビュー

SUGIZO

このアルバムは、恣意的なものは皆無に等しいかもしれない

――「GOD BLESS YOU 〜One Night Déjàvu〜」(※2007年の一夜限りの復活)に始まり、REBOOT(2010年の再始動)があり、『A WILL』が出てツアーがあって、『LUV』が世に出ます。この10年の流れの中で、『LUV』をどう位置付けていらっしゃいますか?

SUGIZOう~ん…分からないですね。最近、位置付けとか、今やっている理由とか、あまり考えないんですよ。コンセプトも含めて、なるようになっていく、というか。僕はもう流れに身を任せているだけで。自分流に言えば、もう本当に“宇宙に身を任せている”だけです。

――ご自分の恣意的なものは何もない、と。

SUGIZOそう。もちろん流れの中で、「さあ、ここでちょっと踏ん張らなきゃ!」とグッと気合を入れる時もあるけど、このアルバムは、恣意的なものは皆無に等しいかもしれない。ただ、生まれたばかりの今僕が言える感想は、ギミックも脅かしも何もない、ただただ自分達が素晴らしいと思う音楽が集まって一つの作品にまとまった、ということ。今までで最も純粋に、いい曲・いい音楽が集まった作品になった。コンセプトありきとか、若気の至りの勢いありきではなくてね。

――メンバーの皆さんそれぞれに活動がある中で、“LUNA SEAとしての活動”が特別なことではなくなって、ごく自然に“すべきこと”としてある、という段階に入ったんでしょうか?

SUGIZOそうかもしれませんね。それはメンバー全員がおそらく同じ感覚で、LUNA SEAのために特別に時間を割いてるんじゃなくて、とても自然に、自分たちの生きる道の一部になっている、ということかもしれません。

――SUGIZOさんが今、“愛”という言葉を定義するとしたら、どういう表現になりますか?

SUGIZO分かち合うこと、繋がり合うこと、助け合うこと、かな。自分の心の大きな変革があったのが1998年なので、そういう考え方をするようになって、来年で20年になります。僕にとって、自分だけが満ちて潤って、所有して、というのは幸福ではないんですね。愛というのは、分け合うものだと思うな。世の中は、富に関しては異常なほどバランスが悪いでしょう? 地球上のたった1%の大富豪が富を独占して、99%は生活に喘いでいる。3分の2はむしろ貧困に陥っている。なぜ分け与えることができないんでしょうね。僕は、自分はもう充分に満ちているので、分け与えたいと思うな。それはお金だけの話じゃないですよ? 自分の意識や行動、自分の時間、あらゆるものを自分で独占するべきじゃないな、と強く思います。

――1月からは全国ツアーも始まります。3年ぶりですから、少し久しぶりですよね。

SUGIZOでも、そんな感じが全然しないんですよ。ホールツアーでアルバムを引っ提げて、という意味では久々かもしれないけど、ずっと動いているのでね。まずはZepp Tokyo公演(※ソロ20周年ツアーのファイナル。取材は12月初旬)が終わらないと何も始まらないんですが、さいたまスーパーアリーナ(12月23日・24日)のセットリストは作りました。まずは最初の段階のものですが、いい曲順ができたと思いますよ。

(取材・文/大前多恵)

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