リレー・コメント 天野 正道 (あまの まさみち)

天野 正道 (あまの まさみち) 作曲 /  編曲

~ Profile ~

秋田市生まれ。国立音楽大学作曲科首席卒業武岡賞受賞。同大学院作曲専攻創作科首席修了。卒業後豪州に赴き日本人で初めてC.M.I.をマスター。1984年国内で一番初めにCDを製作したアーティストとなる(TPO1)
1992年から現在まで続いている国立ワルシャワ交響楽団、ヴェルサイユ室内管弦楽団,ロンドン交響楽団、ハリウッド・エンジェルシティ・オーケストラ、東京交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団での自作曲の録音指揮、Warsaw Brass、Trio Classic、Paderewski Festivalよりの委嘱を受けるなど国内外で活動する。また、吹奏楽作品は2003年,2005年WASBE、2004年、2006年Midwest Clinicなどでも演奏されている。第62回秋田わか杉国体、第59回全国植樹祭の音楽総監督を務める。
第23回(おもちゃ)、24回(バトルロワイアル)日本アカデミー賞音楽部門優秀賞受賞。
第10回日本吹奏楽学会アカデミー賞受賞(作、編曲部門)。
今まで作品を提供、プロデユース、共演した中には、スティービー・ワンダー、ニコライ・デミジェンコ、オフラ・ハザ、矢沢永吉、冨田勲、Yoshiki、布施明、アグネス・チャン、伊武雅刀、原信夫とシャープ&フラッツ、東京ユニオン、ペレスプラード楽団など各ジャンルにわたる内外のアーティストが数多くいる。

参加作品

第37集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2009 第36集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '2008 第34集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '2006 第32集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '2004 第29集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '2001 and more...

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「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」の思い出

私が初めてニュー・サウンズ・イン・ブラスのアレンジをしたのが2001年なので、あっという間に10年が経ってしまいました。

中学2年生の時トロンボーンをクビになり(本番でスライドを飛ばしたのが原因)テナーサックスに回された私は、楽器の特性と自己の性格の為に、どんどんJazzやポップスにハマっていきましたが、当時は吹奏楽編成でそういった楽譜は皆無でしたので自己流でアレンジをしていた覚えがあります。勿論素人アレンジなので、今考えるととんでもない譜面だったことでしょう。

高校1年生の時、ニュー・サウンズ・イン・ブラスが初めてリリースされたのですが、その時の狂喜乱舞と言ったら・・・・(しめた、これで耳コピーしないで済む!)はい、ナマケモノでした。1972年といえば、岩井先生のシンコペーテッド・マーチ「明日に向かって」が中学校部門の課題曲になったのですが「え〜い、あと数ヶ月遅く生まれていればこの曲を演奏出来たのにぃ」と本気で悔しがったものでした。第2集、第3集と高校時代はホントにニュー・サウンズ・イン・ブラスには御世話になりました。

大学進学後、徐々に吹奏楽から離れていってしまいましたが(故あって母校の自由曲アレンジだけはずっと続けていましたが)アレンジの勉強にもなるので、ニュー・サウンズ・イン・ブラスのLPはその後も暫く買い続けていた記憶があります。そして映像音楽や商業音楽に明け暮れる日常が続くのですが、時々耳に入るニュー・サウンズ・イン・ブラスは、ある種の清涼剤とも言える存在でした。スタジオ仲間にも当然ニュー・サウンズ・イン・ブラスを聴いたり演奏したりして育った連中もいましたし、何よりもずっと続いていることが、自分は一切関わっていないのですがとても嬉しく感じられたものでした。
ですから21世紀の始めに(ホントは20世紀最後の頃ですが)ニュー・サウンズ・イン・ブラスのアレンジ依頼が来たときの狂喜乱舞と言ったら・・・・(ヤバイ、これでまた耳コピー地獄が!)はい、相変わらずナマケモノです。

レコーディングの当日、ちょっと緊張して今は無きEMIの3st.に入っていったのですが、いつもスタジオで御世話になっている数原さんや市原さん、萩谷さんや英次郎君だけでなく、布施明さんのライブでずっと一緒だった松本さん、30年来の盟友、そうる透君まで参加しているので、驚くやらほっとするやら、でした。
「やぁ、あまのちゃん、久しぶりぃ」という岩井先生のいつもどおりの笑顔や、TKWOの皆様のあたたかくも素晴らしい演奏、そして小貝君のLovelyなエンジニアリングに接して「あ、これが儂(ワシ)を音楽の道に引きずり込んだ原点の一つなんだ」と感慨に耽ったのでした。

レコーディング終了後、真島さんたちと飲んだワインの旨かったこと、旨かったこと。こうしてNSB地獄から抜け抜けられなくなってしまったのでした・・・。

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