リレー・コメント 数原 晋 (かずはら しん)

数原 晋 (かずはら しん) Trumpet

~ Profile ~

1946年生まれ。中学校で吹奏楽部に入部、トランペットと出会う。高校生活三年間も吹奏楽部一筋の生活を送る。卒業後いったん一般企業に就職するも、音楽への思いを断ち切れず退職。20歳で国立音楽大学入学。
その後、高橋達也と東京ユニオン、豊岡豊とスイング・フェイス、宮間利之とニューハード、原信夫とシャープ&フラッツ等を経てフリー・トランペッターに。歌謡曲、ポップスからジャズ・テイスト、クラシック・テイストな楽曲まで幅広くカヴァーできる力量で数えきれぬほどのスタジオ・レコーディングをこなし、現在も精力的に演奏活動を続けている。
また、膨大な数のスタジオ・ワークにとどまらず、楽器、アンサンブル等の分析にもますます力を入れ、トランペット界の職人を目指したゆまぬ研鑚を積む毎日である。

参加作品

第38集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 2010 第25集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス '97 第13集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 第10集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス 第5集 ニュー・サウンズ・イン・ブラス and more...

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「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」の思い出

私が20歳から30歳までの約10年間、下積み時代と言いましょうか、フリー・ミュージシャンになる前のフルバンド(4つのバンド)を経て、スタジオ界に入った後、2、3年が過ぎた頃に、その時はやって来ました。高校生の時以来の吹奏楽です。あれは、今思い返すと、八王子市民会館の正面玄関の前に、はやる気持ちで立っていました。トランペットの、今は亡き羽鳥幸次さんのサイド・プレイヤーとして参加したのが「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」との最初のレコーディングでした。たしかシリーズの2作目か3作目であったと記憶しています。途中4,5年抜けましたが、その時から「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」とのつきあいが始まりました。
吹奏楽特有の音が、私は好きです。オーケストラとも違うし、ビッグバンドとも違うし(用いる楽器と編成も違うので当たり前ですが)、毎回のアレンジがその時代を反映していて、今、聴いていても興味深いものがあります。
昔はLP、今はCD。それだけをとっても時が経ったなぁ・・・と感じます。ましてや演奏者全員のレベルアップ、録音技術の進歩、楽器の質の向上など、目を見張るものがあり・・・。挙げたらキリがありません。歳月を感じるばかりです。

私が子供の頃、故郷のメイン通りを音楽隊が行進していく後をついて歩きながら、「なんて、わくわくする音なんだろう」と子供心に思い、自分も大きくなったら、こういるバンドに入りたいと願うようになったのが、今思えば出発点でした。それ以降、吹奏楽器に興味を持ち、吹けるものは何でも吹いてきました。ホラも吹きました。中学2年の時、トランペットと出会う事となり、現在に至っています。元々、私の兄の方が先にクラリネットを高校で吹き始めたのがきっかけで、毎週土・日曜になると家に楽器を持ち帰り、練習をしていました。 それを横取りして、アルバート式で、なおかつボロボロの楽器で苦労しながら、やっと吹けるようになったのを覚えています。
ですので、クラは難しい。トロンボーンはでかくてイヤだ、という気持ちがあったので・・・。だからトランペットだったのでしょう。
以上の様に、私の血の中には”キグチコヘイ”のDNAが組み込まれている気がします。”キグチコヘイ”については、また次の機会に説明するとしましょう。(インターネットで調べれば、チョチョイノチョイで解るかもね・・・。)

岩井先生はじめ、他の先生方の吹奏楽に取り組む真摯な姿勢には、いつも心を打たれます。これからも良い作品をお願いします。
ジャズ、ポピュラーとしての吹奏楽の中では、日本が世界に誇れる「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」と信じています。

40周年おめでとうございます。

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